文徳高等学校トップページ » 文徳ing » 平成30年度卒業証書授与式を挙行しました
2019年03月11日
2月28日に、第58回卒業証書授与式を挙行しました。平成30年度の卒業生は486名。それぞれが文徳で過ごした3年間に思いを馳せ、厳粛な面持ちで高校生活最後の学校行事に臨みました。
国歌斉唱の後、担任が生徒一人ひとりの名前を呼び上げ、生徒は返事をしてその場に起立していきます。卒業証書は、普通科379名を代表して吉良さん(3JS4熊大附属中)に、理工科107名を代表して岡本くん(3T2 京陵中)に、それぞれ授与されました。
学校長式辞では荒木学校長が、次のように述べられました。「この卒業式は、平成最後の卒業式になります。皆さんは入学早々、震度7の熊本地震に見舞われ、本校も復旧作業のため1ヶ月間休校となりました。しかし、1ヶ月後に登校した皆さんは、新しい仲間たちと当たり前に勉強できる喜びを知りました。そうした苦難を経て、次のステージへ進む皆さんに、次の2つの言葉を贈りたいと思います。1つ目は、『踏み板がなければ飛び立てない。』という言葉です。例えば、跳び箱は踏み板がなければ高く飛び上がることはできません。皆さんには文徳高校で育んだ思い出や体験、知恵といった踏み板を使って、高く飛び立ってほしいと思います。2つ目は、『自分の身体を人のために使ってほしい』という言葉です。『口』は人を励まし感謝する気持ちを伝えるために、『耳』は人の言葉を最後まで聞くために、『目』は人の良いところを見るために、『手足』は人を助けるために、『心』は人の痛みがわかるために、それぞれ使ってほしいと思います。この文徳高校での3年間が、踏み板となり支えとなることで、皆さんが今後、志を高く持ち、何事にも邁進して行かれることを心から願っています。」
次に、理事長祝辞では中山理事長より「皆さんは入学後、間もなくして熊本地震を体験されましたが、立派に成長されました。これからの人生を悔いのない素晴らしいものにしてほしいと思います。人生で楽しくワクワクすることにチャレンジし、自分の限界を外してほしいと思います。崇城大学の大学院に古賀碧さんという院生がいますが、彼女は地元に貢献したいという思いから研究を重ね、産業廃棄物である球磨焼酎の粕を、酵母を利用して資源として活用する方法を思いつきました。彼女はこれ等の功績により、2度の文部科学大臣賞を受賞しています。皆さんも彼女のように、大きな夢や目標を見つけてほしいと思います。そして、人のために働き、人に感謝されるような、やりがいのある人生を送ってください。」と、お言葉がありました。
文徳会会長の祝辞では、小佐井会長より「人はそれぞれの顔や表情を持っているように、その人だけの誰にもなすことのできない役割を持っています。社会にとって皆さん一人一人がかけがえのない、大切な存在なのです。これから皆さんが新しい一歩を踏み出し、活躍されることを心より祈念しています。」と、お言葉がありました。
その後は来賓紹介、祝詞祝電披露、そして本田さん(3JSS 文徳中)への熊本県知事賞授与が行われました。送辞では安武くん(2JS2 泗水中)が、常に模範となってくれた卒業生のストイックさに触れ、「だからこそ先輩方は、自分を磨き大きく前進できるのだと実感しました。お別れするのは寂しいですが、感謝しつつ祝福の拍手で送り出したいと思います。」と、感謝の気持ちを述べました。
答辞では、葛西さん(3JSS 本渡中)が、1年次のある事件の衝撃が心理学の道を志すきっかけになったことに触れ、「その事件の犯人がアニメ好きであったことから、犯人の趣味や生い立ちが、あたかも犯行の原因であったかのように、新聞やニュースで盛んに取り上げられました。私は4月から、犯罪心理学を専門にした大学へ進学します。そして将来は、偏見を生まない正しい情報を発信するジャーナリストになりたいと考えています。在校生の皆さん、今までありがとう。皆さんには、辛い時に私を支えてくれた『今日という日は、残りの人生の最初の日である』というチャールズ・ディードリッヒの言葉を贈ります。」と涙交じりに述べました。
式後には、田代さん(3F4 松橋中)による記念品贈呈、保護者代表中村さんの謝辞、保護者への諸連絡の後、各クラスに移動しました。そして、一人ひとりに担任から卒業証書が手渡され、高校生活最後の日はホームルームで締めくくられました。しかしその後も、この文徳高校との別れを惜しむかのように、校内に残ってお世話になった教師に挨拶をして回ったり、友人と写真を撮り合ったりする姿がいつまでも見られました。