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人権同和教育講演会を実施しました

2019年12月11日

124日(水)の56時間目に、人権同和教育講演会を実施しました。ハンセン病問題の「語り部」である、中修一さんに「ハンセン病をめぐる人権」という演題で講話をしていただきました。

鹿児島県奄美大島で生活していた中さんは、小学校5年生の時に、突然ハンセン病を患い、右足が不自由になりました。最初にハンセン病だと診断してくれた医師の支援もあり、中学校まで卒業できた中さんでしたが、その後、ハンセン病患者を収容する療養所に隔離され、低賃金での労働や自由に外出が認められない生活を余儀なくされました。しかし、注射による投薬治療によって、右足を引きずる後遺症は残りましたが、病気を治すことができました。完治後は、ハンセン病患者だけが通う高校に通い始めましたが、学校の職員をはじめ、近隣の住民からの理解も得られず、1年を待たずして高校を中退しました。周囲の人々から浴びせられる冷たい差別の視線は今でも忘れられないとおっしゃっていました。高校中退後は、大阪で就職をしましたが、足のことを聞かれとっさに「ハブに噛まれた」と嘘をついたそうです。その後、足をことを聞かれるたびに嘘をつき続ける生活は本当につらかったと語られました。

自身の経験をもとに、ハンセン病患者への社会の間違った認識を改めてもらうべく、法律の改正を求める裁判を起こし、見事勝訴。その後は、社会復帰への支援を求める運動を行ったそうです。

講演後は、新生徒会長である村上さん(2JSS熊大附属中)が「SNSが発達した現代では、誰でも匿名で発言ができる。そんな時代だからこそ、自分の発言に責任を持ち、困っている人には迷わず手を差し伸べたい。」と謝辞を述べ、講演会は終了しました。

中さんの壮絶な人生に、生徒たちも真剣に耳を傾け、これまでの自身の人への接し方を振り返り、今後どう振る舞うべきかを考える貴重な講話となりました。

 

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