2007/8/31 金曜日

逞しさとは・・・

Filed under: おしらせ — admin @ 13:31:01

ko2.JPG   ko1.JPG
文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

          「 逞しさとは・・・ 」

校長 荒木 孝洋

  猛暑続きの夏休みが終わり、今日から2学期が始まります。小中学生の皆さんも元気に登校したことでしょう。

「有意義に夏休みを過ごせましたか?」一段と逞しくなり心躍らせながら先生や級友との再会を喜んでいる姿が目に浮かびます。 でも、「あなたは逞しくなりましたか?」と問われても返答に困りますネ。知識はテストを受ければ得点として見えるし、運動の技量は上達度合いが実感できますが、逞しさとか優しさは目に見えないだけに自分で評価するのはやっかいです。でも、あえて自己評価するとすれば、「2学期は頑張るぞ!」と思って登校した人は間違いなく逞しくなったと言えます。逞しさを計る目安は意欲とやる気とそれを続ける根気です。

 ところで、8月19日、30回目を迎えた日本テレビ系「24時間テレビ・愛は地球を救う」で萩本欽一さんは66歳の最年長ランナーとして70キロマラソンに挑み見事完走しました。この日は全国各地で様々なキャンペーンやイベントが開催され募金活動が実施されましたが、ゴールした時の瞬間最高視聴率は43.9%だったそうで、多くの日本人がこのシーンを見たことになります。足取りはフラフラだが笑顔でゴールした欽ちゃんは、島田紳助さんの「来年もどうですか?」の意地悪な質問に対し、「もうイヤだよ。走ってみてくれよ」と答えていました。このマラソンについて、インターネットのブログには批判的な論評もあります。「70キロを24時間で走るといってもたかが時速3キロではないか。俺なら半分の12時間でも簡単だよ」とか「途中でズルしてるのではないか」、「テレビのヤラセにうんざり」などです。しかし、本当のきつさは走った人にしかわかりません。

  私も昨年、前任校の校内大会で生徒たちといっしょに30キロ近く山道を歩きましたが、ゴール近くでは何も考えずにただただ歩くだけでした。70キロともなるとそのきつさは想像を絶する世界ではないかと思います。今回の欽ちゃんのコメント「もうイヤだよ。走ってみてくれよ」には体験した者にしか言えない重みを感じます。授業や読書を通して得られた知識や知恵に体験が加われば、逞しさや優しさが本物になると思います。そして、その時は無駄と思えるような訓練や体験であっても、判断に迷うような岐路に立った時、考え方や行動に大きな影響を及ぼしていることが多いものです。 

  文徳学園は体験活動を重視しています。この夏も、中学部では地引き網を盛り込んだサマーキャンプや3年生対象の英国研修を実施しました。また、中高とも部活動では学校を離れて他校生との合同合宿を行い、進特コースでは「チャレンジ課外」と称して長時間学習に挑戦しました。 今日は二百十日、台風襲来が心配なシーズンになりましたが、一方では「食欲の秋」、「読書の秋」とも呼ばれ、秋は一年で一番過しやすい時期です。受験間近の小中学生の皆さんも暑さで痛めつけられた体を癒しながら、大願成就に向けた「豊潤の秋」にして頂きたいと願っています。

2007/8/8 水曜日

懐かしい匂い

Filed under: おしらせ — admin @ 9:30:52

pocyuraca.JPG semi.JPG    

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

     「懐かしい匂い 〜瞬間の時間旅行〜 」

校長 荒木 孝洋

 昔の電柱は、コールタールに長い間浸しておいた材木が使われていた。これが真夏の日光に照らされると、なんともいえない匂いがする。妙にこういった電柱がトンボは好きらしくて、暑い日射の中、いつまでもじっととまっていた。燃え上がる夏の風景の記憶で、その光景だけが切り取ったように私の脳裏に鮮やかに蘇ってくる。今でも燃えるような夏の炎天下に立つと、どこにもなくなってしまったコールタールの電柱の匂いが蘇ってくるような気がする。
懐かしさは、嫌だったかも知れない匂いに不思議な弁護を与える。嫌な匂いが、「悪い匂い」ではなくなっているのだ。ほんの一瞬思い出すだけで、私の心をはるかな過去に運んでくれる。毎日毎日、前を向いて歩くことしか考えてこなかったが、心が過去に帰ることを欲する時、突然懐かしい匂いは「忘れてはならない思い出」を蘇らせる。思い出は数秒間の生命を与えられ、幼かったその頃を数秒間だけ生き、また現在を生きて行こうとする力を与えてくれているように思う。それは二度と戻っては来ない過去に対する感傷か?。過ぎ去った時間は二度と繰り返せないから、こんな瞬間の時間旅行が人間に許されているのかもしれない。シューとひと吹き、イヤな臭いも元まで消せる世の中。TVのコマーシャルは自らの体臭まで消すことを美徳のように喧伝する。匂いといっしょに「忘れてはならない想い出」まで消されてしまうようで不安になる。


大きな土産を両手に抱えて、故郷に向かう。年に一度の盆も近い。部屋の真ん中に大の字に寝転んで、静かに目を閉じる。地の底から湧きあがるような蝉しぐれ。“ああ、帰ってきたんだ”故郷の空気を吸うと元気が出るものだ。澄んだ空気も匂いのひとつ、遠い昔にタイムスリップし、我が身の来し方行く末に思いを馳せる。仏壇に手を合わせると、今生きていることのありがたさがこみあげてくる。

Copyright(c)2009 Buntoku high school, All rights reserved.