2008/7/25 金曜日

「観音様」と「大丈夫」

Filed under: おしらせ — admin @ 10:21:25

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文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

『観音様』と『大丈夫』

学校長 荒木 孝洋

 ▲甲子園切符をかけた藤崎台での高校球児の熱い戦いが終わり、文徳球児は一足早く夏に別れを告げたが、日本列島は連日の猛暑、京都府舞鶴市では今年最高の気温38.5度を記録したそうだ。熱闘・熱風で心も体も萎える。栄冠を手にした城北高校の皆さん、春夏の甲子園連続出場おめでとうございます。県代表として甲子園での活躍を心から祈念します。

▲文徳中学・高校では20日(日)から夏休みを迎えました。早速に20日にはオープンキャンパスを実施し、県内の小学生や中学生、その保護者とあわせて730名の皆さんに参加していただきました。学校選択の参考になれば幸いです。そして、次の日からは、課外や部活動、夏休みとは言えまだまだ高校生の暑い夏は続いています。暑さに負けず心を体を脳を思いっきり鍛えてもらいたい。

▲中学生の時、M先生が観音様の真似をして教卓の上に座られ身振り手振りを交えて話されたことが妙に心に残っている。『観音様は耳が大きくて、人の話をよく聞く。額の真ん中に丸い心眼があり、人の話を聞いたとしても、決して右に寄ったり左に寄ったりしない。相手を束縛したり、思いやりのない暴言を言わないということだ。次に両目は半眼である。その眼は、内側の平静な生命を見ながら社会や他人も見る。半分は外、半分は自分の内にある自然の生命を見なさいということである。そして、あなたが生きたいように生きなさいと右手をさしのべている。左手はいつでもお貸ししますというようなポーズになっている』といった説明であった。私は忙しくなると観音様の姿を思い浮かべて心を鎮めることがある。どの観音様も大きさは違うが、同じ姿・形をしており見ているだけで心が落ち着く。

▲「あなたの大丈夫はあてにならない。何でも大丈夫と言うから・・・」と女房にからかわれるが、その顔は何となく安心したように見える。私は難題にぶつかると『大丈夫』と連発する癖があるらしい。学校でも子どもの話を聞くとき、「大丈夫、話してごらん」と言うと安心して悩みを話すことが多い。『大』も『丈』も『夫』も八の字に似た末広がりになっている。また、ダイ・ジョウ・ブという力強い鼻濁音が続くのがなおさら良い。「これからはきっとうまくいく、もう大丈夫」「ここまでやってこられたから、これからも大丈夫」、と励ましながら、自分自身が鼓舞され喋っている自分も前向きになっているのかもしれない。岐路に立ったとき、半眼の観音様から『大丈夫』と言われたら勇気百倍になれそうだ。

2008/7/4 金曜日

試行錯誤

Filed under: おしらせ — admin @ 11:39:24

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文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

『 試行錯誤 』

校長 荒木 孝洋

▲どんよりと曇った梅雨空に入道雲が垣間見える。梅雨明けも近い。私は時間を見つけては目的もなしに校内をぶらつくことがある。敷地全体が丘陵地帯なだけにひとまわりするとジックリ汗をかく。授業中、休み時間、放課後、夜間・・・目的がないだけにさまざまな光景が新鮮に見えるし新たな課題を発見する事も結構多い。管理職としての『試行錯誤』の時間である。昨日のことである。久方ぶりの晴天、1時間ほど校内を歩いた。音もなく鉄筋をつり上げているクレーン車、新校舎工事が順調に進んでいることを確認する。体育館横には名前は憶えていないが白い大輪の花が咲いている。花の芯に棒をさし風車にして遊んだ記憶が懐かしく蘇る。教室では壁ひとつを隔ててさまざまな教科の授業が行われている。四苦八苦しながら対数の問題を解いている生徒、別の部屋では機械専攻生が溶接実習、家庭科室では割烹着を着た男子生徒が賑やかにグラタンを焼いている。階段を下りて中学校に着くと、廊下には七夕が飾ってある。期末考査が近いせいか「数学頑張るぞ」とか「1番になりますように」といった願い事が多い。中には「地球を汚染から救え」といったグローバルな願い事もある。子どもの真剣な姿から明日への活力をもらったり、うず高く積まれた段ボールや人気のない空き部屋を見つけては新たな課題を発見する。

▲私の専攻は数学である。教壇に立って31年間数学の指導をしてきた。高校の数学では、授業で例題の解説をし、その練習問題を家庭で課題としてやらせることが多い。宿題を真面目にこなしているにもかかわらず試験になるとさっぱりできない生徒がクラスに数人は必ずいる。やる気もあり真面目に勉強しているができないのだから自信をなくしていることも多い。このタイプの生徒に共通しているのは、練習問題をやるのに例題を見ながら解いていることである。そもそも数学の学習は例題を十分理解し、論理的考察で答案を組み立てる練習をすべきところを、例題を見ながらただ真似ているだけでは、試験でできないのは当たり前である。試験の時は真似るべきものがないのだから。

▲中学生の大半が塾に通い高校を受験する。塾ではテストに出そうな問題を覚えるまで何回も解かせる学習が主流のようだ。量も少なく難易度もそれほど高くないうちは、この学習法で何とかなるだろう。高校での学習は、それまでと比べて量も多く、難易度も格段に高くなる。学習法もおのずと変えねばならない。正解を教えてもらってひたすら訓練するだけの学習では大学受験には対応できない。問題を解くことは山登りに例えるなら、登山口を探すようなものだ。答えが出ないなら、登り口が見つかるまでウロウロするしかない。つまり、答えが出ないからと言ってすぐに例題や答を見るのではなく、答えが見つかるまで時間をかけて、試行錯誤し同じ問題に何度も挑戦し続けることが肝要だ。数学上達のコツと楽しさはこの『試行錯誤』にあると、これまで何度言ってきたことか。数学の先生は簡単に答えを教えない。本物の学習法に気づいて欲しいからだ。

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