2008/8/28 木曜日

片腕は自分のために、片腕は他人のために

Filed under: おしらせ — admin @ 11:27:19

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『片腕は自分のために、片腕は他人のために』

                           学校長 荒木 孝洋

 タイトル『片腕は自分のために、片腕は他人のために』は、私の敬愛する熊本県ボート協会理事長和田建一郎先生の座右の銘のひとつです。先生はすでに公立高校をご退職になり、今は県のボート協会で仕事をされていますが、勤務された八代高校、八代南高校、済々黌高校全ての学校でボート部を全国大会に導かれた凄い指導者でもあります。先生の指導法はいわゆる根性論ではありません。『人間の集中力は2時間が限度。週2日は学校で筋トレ、残りの日もボートを漕ぐのは1日に90分。生徒個々人に目標を持たせることで集中力が出る。長くやれば疲れるだけだ。どの生徒にも無駄な時間が出ないように不足している筋トレの練習器具は手作りで間に合わせた。』といった練習です。

先日、久しぶりに先生とお会いした。『凄い指導者がいるから読んでみるように』と、雑誌のコピーをいただいた。関西高校ボート部顧問の森川幸夫先生のレポート『ゼロからのスタート・・・そして頂点へ』というタイトルの文だ。(関西高校は、ここ10年で、総体、国体、選抜で10回優勝している強豪チーム)。「指導者の在り方」について書かれた文だが、運動部指導だけではなく、学習指導にも、学ぶ生徒にも参考になる素晴らしい訓話だ。一部抜粋して紹介する。

★『手段と目的を混同するな』→答えが合っていなければどんなプロセスも意味を持たない。(どんなハードな練習を着実にこなしたとしても、目的とするものが身につかず、目標が達成されなければ意味はない)→目的を達成するために効果のある練習法をとことん追求せよ)

★『指導者にとって最も重要な仕事は選手のモチベーションを高めること』。環境作りが大切。環境作りとは、どれだけ選手に練習やレースに気持ちよく、楽しく、且つポジティブに臨めるコンディションを作ってやれるかというもの。施設・設備の充実ということではない。

★『練習も試合も楽しくやろう』。絶対やらされているという意識ではいけない。作業になってはいけない。自らの強い意志と旺盛な意欲に加えて、その中に楽しさを見いだせられれば、スキルもメンタルもさらに早く自分のものとして身につきやすい。勝ったときの自分をイメージすることで試合のプレッシャーの中でも力を発揮しやすくなる。

★『感謝の気持ちを持て』感謝の気持ちがない者は、いくら体力、技術があっても勝てない。感謝できない者には謙虚さや素直さがない→謙虚さと素直さに欠ける者は、視野が狭くなり、独りよがりになる。→大切なところでポカをする。→運が付かない。練習終了式では、「校歌斉唱」→「黙想」→「ありがとうございました(川の神に対して)」を行っている。

 特に最後の一文「感謝」が大事だと思う。『片腕は他人のために』、そんな思いで自分の体を眺めると、目も耳も鼻も足もそんな使い方が必要だと実感する。ひとつしかない口だって食べる作業以外は他人のためにあると考えた方がよかろう。生きている自分が他人に生かされている。そう思えるようになるには歳月も必要だが、指導者は子ども達にずっとそう教え続ける義務がある気がする。

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