2009/2/4 水曜日

こどもは未来の宝物

Filed under: おしらせ — admin @ 19:44:22

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ 

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『子どもは未来の宝物』

                                    学校長 荒木 孝洋

 先日、ブータン王国の校長先生方が日本の学校を訪問された事がテレビで報道されていました。ブータン王国は中国とネパールに隣接した小さな国(面積は九州の1.1倍、人口は熊本市とほぼ同じ66万人)で、農林業を主産業とした国です。国民所得も日本ほど高くありませんが、伝統文化を尊び、新しい文化によって大切な文化が滅びないように外国人の入国を厳しく制限しているそうです。訪問団の団長さんは、手鏡を見ながら自画像を描き上げる授業を見て、「私の学校では、このような授業はできない。貧しくて鏡を揃えることができないのです。私の学校は、街から歩いて3日かかります。途中で雪ヒョウに出会うことがあります。(中略)日本はどこの学校も施設が十分整っていますが、私は吹奏楽の楽器を見たことがありません。しかし、『子どもは未来の宝物』の気持で教育を行っています」と、誇らしげに語っておられました。その言葉を聞きながら、私は脚本家の倉本聡さんの富良野塾開塾起草文を思い出しました。

 あなたは文明に麻痺していませんか。
 車と足はどっちが大事ですか。
 石油と水はどっちが大事ですか。
 知識と知恵はどっちが大事ですか。
 理屈と行動はどっちが大事ですか。
 批判と創造はどっちが大事ですか。
 あなたは感動を忘れていませんか。
 あなたは結局何のかのと云いながら、わが世の春を謳歌していませんか。 

 風が吹き心が揺れます。

 日本はこれまで幾多の危機を迎えながらも、人間の叡智でもって修正を加えながら歴史を作ってきました。「もっと楽をしたい」「もっとおいしいものを食べたい」「もっと儲けたい」という人間の欲望が動機となって今の文明を築きあげたことも理解できますが、膨らみっぱなしの豊かさも臨界点に達したようです。今の日本を見ると、国や自治体の財政赤字の増大や少子高齢化に伴う社会活力の低下など、希望的な将来像を描くどころか懸念材料ばかりが浮かんでしまいます。沈み行く船の中で、なお奢侈を求め、飽食を楽しむ光景に似ています。それでは「利を求めて道なし」です。私たちはその行為のむなしさ、危うさに一刻も早く気づき、新しい哲学のもとに新しい海図を描く必要があると思います。幸いに、日本には武士道精神という素晴らしいバックボーンがあります。私欲はほどほどにし、残りは他と共有するやさしい気持ち、あるいは他を満たす思いやりの心をベースにした「知足利他」の生き方が今求められていると思います。

 発展や繁栄の反動が見え隠れするアジアの人たちとの共存・共栄も意識しながら、健全で活力と創造性に満ちた社会の実現に向けて、国民ひとり一人が自分は「何ができるか」「何をしなければならないか」を考え実行する時期を迎えました。ブータンの校長先生の言葉を借りれば、『子どもは未来の宝物』です。次代を負託すべく若者の活力が再生のキーワードです。古き風に新しき風が重なるとき、私たちは、改めて『生きる意味』を問い直しながら、『何のために勉強をするのか』を考えさせられます。

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