2009/4/23 木曜日

絶叫騒音列島

Filed under: おしらせ — admin @ 12:22:58

    文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

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                         『絶叫・騒音列島』

                  学校長 荒木 孝洋 

 私は、夜8時以降、NHKドラマ「天地人」とニュース・特別番組以外はほとんどテレビを見ない。テレビから絶え間なく発せられる絶叫、騒音に絶えられないからだ。テレビのない静かな生活も慣れてくると実に心地よい。時折、うたた寝をしていると、女房の絶叫に目を覚ますことはあるが・・・。 

 ところで、我が家に初めてテレビが登場したのは小学4年生頃だったと記憶する。14インチ画面の白黒テレビである。「お笑い3人組」と「プロレス中継」は子どもたちに大人気の番組であった。アニメ「名犬ラッシー」に涙したのはしばらく経ってからである。放送時間も限定され、夜12時になると画面に日の丸がはためき、蛍の光の演奏で放送は終了した。その後は、音声なしのテストパターン。スイッチオフの時間である。それから50年、画面も内容も放送時間も一変した。誰でも何時でも何処でも24時間テレビを見ることができる。プロレス実況ばりに声を張り上げて速射砲のようにしゃべるアナウンサー。視聴者に思考する暇をなからしめんかするよう咆哮するニュースキャスター。コマーシャルとまごうばかりに喧しい音声で宣伝する自局番組。ひと言単語「スゴーイ」の喚声を連発する料理番組。詩情なき散文を耳をつんざくばかりの音曲に乗せて絶叫する歌声。場面を問わずビートのきいた背景騒音を無意味に流して言葉を聞きづらくする番組づくり。今や我国は絶叫・騒音列島と化してしまった。テレビが出始めた昭和30年代、大宅壮一さんはテレビの普及に警鐘を鳴らされている。テレビは「一億総白痴化」の元凶と。残念ながら予言は見事的中した。昨今のテレビを見ていると、手間暇かけた作品が少ない。視聴率を錦の御旗として番組の改廃が決定されている。いいなと思う番組も視聴率が低ければすぐに消えていく。残った番組は安普請のアバラヤ同然、トタン屋根に打ちつけられる雨音のようにうるさいだけの惨憺たる体である。人々はその扇情と洗脳のるつぼの中にあるからたまったものではない。そんな環境で子供を育てたらどうなるか予想できるはずだが、大人は反省もしない。静寂なきところに思考なく、思考なきところに理性も内省・自省もなく、内省・自省なきところに他人を思いやる心はうまれない。静寂に耐えられなくなった子どもは、思考する習慣と意思を形成することなく、ひたすら本能の発する欲求と感情のままに言動することとなる。かくして、周囲の迷惑もものかと電車やバスの中をわが家のソファ、化粧や食事の場と心得る傍若無人が出現した。世界は自分のためにあり、都合が悪ければ国や社会の責任にする、自己責任欠乏の自己中心的幼稚性に満ちた人間が増えてくる。古来から、日本人が大事にしてきた「恥じらい」とか、「惻隠の情」に根ざした文化が音を立てて崩れていくのが忍びない。

 本校では、少なくとも学校の中では生徒を世の喧噪から隔絶させたいと思っている。携帯電話の持ち込み禁止もそのひとつだ。さらに、今年度から「だんまり読書タイム」を再開した。朝8時から30分間、対象は課外受講生を除いた全生徒だ。一日の学校生活を心おだやかにスタートしてくれることを期待している。

2009/4/15 水曜日

背筋を伸ばす

Filed under: おしらせ — admin @ 11:28:37

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

 

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               『背筋を伸ばす』

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 真新しい制服に身を包んだ新入生が颯爽と自転車を漕いで登校して来る。半月前までは、3年生の進路決定に一喜一憂しながら過ごしていたのがウソのようだ。新緑とともに春到来、人も自然も別風景に見えてしまう。卒業生を送り出し寂しくなっていた文徳学園にも春が来た。21名の中学生と381名の高校生が加わり、総勢1421名の賑やかな学園になった。入学したばかりの新入生は、今は小さな蕾だが、3年後には見事な大輪・大木に成長することを願ってやまない。 

 始業式、入学式、新校舎への移転、クラス編成等々・・・新しい動線に戸惑う毎日だが、授業が始まると学校全体が少し落ち着いてきた。今日は、久しぶりに旧校舎を回ってみた。1年生の4クラスが旧サテライト室を改装して居を構えているが、大半の教室は空き部屋になっている。新校舎に移ってわずか半月しか経っていないのに、実家に帰ってきたみたいですっかり懐かしくなってしまう。旧校長室前の前庭にはスズランにも似た可愛い花がひっそりと咲いている。秋にはまっ赤に色づいていたドウダンツツジだ。そーっと撫でながら傍を横切り教室棟に足を運ぶ。人気のない教室が続く。生徒のいないがらんとした風景はさまにならない。4階の屋上から新校舎を眺めると、賑やかに歓談している生徒がまぶしく見える。人の息遣いがあるから建物も生きてくるのだと実感する。 

 ところで、本校では、「挨拶は立ち止まってする」ように指導している。慣れない1年生も連休を過ぎると皆ができるようになります。先日テレビで、有名な剣道の先生が「体の中心となる軸が真っ直ぐになると、次の動作も正しく振る舞うことができるようになる。これが中心軸が曲がっていたり、片寄っていると必ず崩れてしまう」と話されていた。剣道だけではなく日常生活でも言えることでしょう。正しい姿勢だと疲れないし、長時間集中力が持続できる。現代の日本人の70%は腰痛持ちだと言われているが、若いときからの姿勢の悪さも原因のひとつではないだろうか。姿勢を良くするために、あるデパートでは社員に対して次のようなことを訓示されているそうだ。社長さんの説明によると、「社員も製品です。身なりとか化粧ではなく、背筋を真っ直ぐ伸ばしてお客さんに接することが一番大事です。そうするための訓練は簡単です。両足をそろえて挨拶することです」と話されていた。「立ち止まって挨拶する」=「背筋を伸ばすこと」なのである。 人は誰でも気が抜けると姿勢が緩んでしまう。自然体で正しい姿勢、美しい姿勢になるためには、常に姿勢を意識しなければならない。しかし、止まって挨拶することは簡単である。習慣化すると意識しなくてもできるようになる。しかも、その効果は抜群だ。腰痛も解消し、見た目もキリッとなる。そして、丹田(臍付近)に力が入り、集中力・持続力がついてくるとなれば、仕事や学習の能率向上にも寄与することになる。皆さんも是非実行してみて下さい。

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