2010/4/21 水曜日

気づきとは

Filed under: おしらせ — admin @ 11:20:53

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ

 第64号

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        『気づきとは?』           

            学校長 荒木 孝洋

 西武ライオンズの工藤公康投手(47才)は、18歳でプロ入りし、今年で28年目を迎える球界最年長のベテラン投手です。この間、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振、日本シリーズMVPなど数々のタイトルを獲得しています。また、探求心・向上心旺盛で、20代後半には肘の故障を科学的トレーニングで直し、40歳前後にフォークボールをマスターするなど、今なお最年長記録を次々と更新しています。

 28年間の現役生活の中で感じたことを、工藤選手は次のようにコメントしています。「意識もせず、理論を理解もできずに、ただ練習している選手は成長しないどころか入団したときより悪くなる。『練習しているのだからいつか良くなるだろう』と、漫然と毎日を過ごしていてプロの世界から消えていった選手は数多い。野球がうまくなるためには、まずは選手がその方法論を知らなくてはならない。そして、さらにうまくなるには『どうすれば?』や『どうなれば?』などの疑問を持ち練習することが大切です。理論や疑問があって初めていろいろなことに気づき、自分自身の目標が見えてくる。長く野球をやれるには『学ぶ心』を失わず『目標を持って鍛えること』だ」と述べています。

 工藤選手のこのコメントは学校での学習にオーバーラップして聞こえます。「集中力もなく、授業も理解しないまま、時間を過ごしている生徒は成長しない。成績が伸びるには、まずは知識がないといけない(基礎・基本)。そして、さらに本物の学力をつけるには、『どうすれば?』や『どうなれば?』などの疑問を持ち学習することが大切になる(応用力)。知識や疑問があって初めていろいろなことに気づき、自分自身の欠点や目標が見えてくる。『勉強しているのだからいつか良くなるだろう』と、漫然と毎日を過ごしている生徒は、成績が伸びず受験に失敗する。勉強の秘訣は『学ぶ心』と『目標を持って学習すること』だ」となる。道を究める人の軌跡は文武共通だと実感する言葉です。 

 ところで、この3月に卒業した398名は素晴らしい進学・就職実績を残して文徳学園を巣立っていきました。開校以来の就職率100%、進学面でも、難関大と呼ばれる東大や阪大、東工大、東京外大、国立医学部、慶応、早稲田、防衛医科大などへ多数合格。合格した彼らに共通していることは、『授業第一』『規則正しい生活』『目標の早期確立』『貪欲な知識欲』にあります。学習法や教材が目新しいわけではありません。教科書をベースにして基礎基本を大事にする、弱点教科をつくらない、疑問点を徹底して先生に質問する、自らの学習スタイルを確立する等、当たり前のことばかりです。キーワードは『人から言われたからしたのではなく、自らの意志でやり通した』ことです。やらされる学習やドリルは作業です。授業を中心に据えた予習・復習の計画を立て、達成状況を点検しながら、一日も早く自分流の学習スタイルを確立して欲しいと願っています。同じ場所で、同じ時間、同じ先生から教えてもらっても、『気づくか、気づかないか』で3年後には大きな差がつきます。文徳学園では、『気づき』を誘発する指導を最優先に取り組んでいます。

 

2010/4/12 月曜日

三里四方の野菜

Filed under: おしらせ — admin @ 17:10:32

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ 第63号

                 

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                                   『三里四方の野菜』

                                         学校長 荒木 孝洋 

    まっ赤に色づき多くの人に季節の移ろいを伝えてくれたモミジも、葉を落とし枝だけ残して冬を越した。季節が変わり春が来た。今、その枝にはびっしりと小さな蕾が膨らみはじめている。一ヶ月前に卒業生を送りだしたばかりの文徳学園にも新たな季節が訪れた。真新しい制服に身を包んだ23名の中学生と472名の新入生を迎えた。希望に満ちた小さな蕾だが、3年後には見事な大輪の花や大木に成長することを祈っている。 

  ところで、自然の草木と違い野菜には季節感がなくなった。温室栽培の普及と冷凍技術の進歩、道路網の発達で、さまざまな野菜が季節を問わず手にはいるからだ。大根、ニンジン、ゴボウ、ネギ、ナス、キュウリ、トマト。表示を見ると生産地もさまざまだ。しかし、温室栽培と取れ立てでは味も香りも栄養も違う。食べ物をめぐる諺のひとつに「三里四方の野菜を食べろ」というのがある(「食物ことわざ事典」)。古くから京都で言われてきた言葉だそうだが、鮮度の高い野菜こそ栄養に富み、そういうものを食べていれば、長寿延命間違いなしという話だ。「三里四方の野菜を食べよう」は「地産地消」と同義語だ。地元でとれた新鮮な旬の野菜を食べよう、と言うことだ。

   文部科学省の調査結果によれば、2007年度の公立小中学校の給食の食材に地場産の占める割合(品目数)を都道府県別に見ると、トップが佐賀県の44.2%、国の目標30%を超えるのは13県だそうだ。熊本もその中に入っている。因みに東京は3.3%、神奈川は13.4%だそうだ。熊本では、熊本大学の徳野貞雄教授が10年前に提唱された「地産地消」=「道の駅」構想が実を結んだのだろう。しかし、スーパーの店頭に並ぶ野菜は熊本産より他の産地が多い。風味や栄養より値段で品を選ぶ消費者にその責任はありそうだ。 旬の野菜が丈夫に成長し美味しいのは、太陽と土の恵みがあるからだ。子育ても似ている。太陽や土と同じように成長支援には親の愛情と滋養たっぷりの言葉が必要だ。今が旬の高菜を美味しく漬けるコツは「食材」と「塩」と「重し」だそうだ。塩が多すぎると辛くて美味くないし、重しが弱いとカビが生える。子育てもしかり。子どもの個性や特性を「食材」とするなら、さしずめ「塩」や「重し」は親や教師の言葉であり教育方針にあたる。叱りが強すぎると子どもは萎縮し大きく育たないし、優しすぎると逞しさが欠如してくる。「いい塩梅(良い塩加減)」とはよくいったものだ。叱責と褒美のサジ加減こそ、大人が心しなければならない子育ての要諦ではなかろうか。文徳学園は仕入れた地元の立派な食材(地元の子ども)を、ベテラン教職員と新進気鋭の若手職員が塩と重しのバランスを取りながら、「地産地消」をお手本にした教育活動を推進します。卒業するときは、礼儀正しく向上心溢れる文徳生は「三里四方の野菜」に匹敵する香味でもって日本を支えていく旬の食材(人材)として活躍することでしょう。

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