2011/7/17 日曜日

ピカソの絵

Filed under: おしらせ — admin @ 8:47:44

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ 第84号 

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             『ピカソの絵』

                     学校長    荒木 孝洋

 長かった梅雨が逃げるように去っていった。例年より一週間ほど早い夏本番、空には絵に描いたような入道雲、セミも鳴き始めた。アスファルトで覆い尽くされた市街地は灼熱地獄の炎天下、秋の七草も気だるく咲きはじめている。ハギ、ススキ、キキョウ、クズ、藤袴、女郎花・・・なぜか、ナデシコだけが元気そうに見える。女子サッカー“なでしこJapan”の快進撃に触発されたのだろうか。澤キャプテン率いる日本チーム、世界一を目指して頑張って欲しい。

 ところで、本校では、授業力・指導力を高めるために、外部講師による研修会に加えて、難関大学入試問題研究や若手教師による自発的な研究授業を行っている。先日、「写真の模写」を教材とした美術の研究授業が行われた。先生は説明の中で「今日の授業は写真を正確に模写する方法を勉強するが、実は模写の仕方には色々な手法がある。例えば、ピカソの絵は、バラバラに見えるがこれも模写です。人や物をさまざまな角度から模写し、それを平板な一枚のキャンバスに描いたのがピカソの絵です」と。ピカソの絵は素人の私にはどうも理解しがたい絵だと思っていたが、説明を聞きながら絵を見ると部分部分が実に生き生きと見えてくる。「なるほど」と頷ける。目から鱗の授業だった。

 振り返ると、思春期の子どもの一日も一枚の絵にするとピカソの絵に似ている。ガンバロウと目を輝かせている朝の顔と眠たそうな顔が同居したり、満面の笑みと辛そうな涙目、優しく親をいたわる心遣いと悪態をついて反発する憎たらしい我が子・・・。変身願望が強い思春期の子供は「こうありたい」と思う気持ちと「でも、できそうにない」という不安がいつも交錯しているのか、喜怒哀楽がはっきりと表情に出てくる。知識も経験も浅く少ない子供は大人のように上手な調和の仕方を知らないから、表情がピカソの絵になってしまうのだろう。しかし、私たち大人もそうであったように、刻々と豹変するする姿こそ成長の証と捉えたいものだ。

 学校はいよいよ夏休み、子どもたちは家庭や地域で過ごす時間が増えてくる。交友範囲や関係も広がる夏休み、自分を変える絶好のチャンスだ。「決意を新たにする」ことで自分を変えるのは難しい。未見の我に出会う最良の方法は、「時間配分を変える」「住む環境を変える」「付き合う人間を変える」ことだ。さあ夏休み!まずは、過ごす時間と行動する場所を自力で設計してみよう。ピカソの絵のように、生き生きした自分を「夏キャンパス」に描いて欲しいと願っている。

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