2013/2/2 土曜日

できるようにしてやる

Filed under: おしらせ — admin @ 7:50:12

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ 第108号

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  『できるようにしてやる!それが文徳です』

               学校長 荒木 孝洋 

NHKの大河ドラマ『八重の桜』は会津が舞台で、第一回の冒頭に「ならぬものはならぬ」でよく知られているの『什(じゅう)の掟』が登場しました。「年長者には礼をもって接する」「嘘をつかない」「卑怯(ひきょう)な振る舞いをしない」「弱い者いじめをしない」「外で物を食べない」など、今でも子どもたちに教えておきたい人間としての基本的な姿勢です。無論、お題目だけでは意味がない、これを身体に染みこませ、自然に実践できるようにするのが教育です。学校だけでなく家庭でも地域でも、何が良くて何が悪いのかを繰り返し意識させ「常識」にしてしまうことが大人の勉めだと思います。守れなければ何万回でも注意し「できるようにしてやる」、これが文徳の教育方針です。

 ところで、10年ほど前から「生きる力の育成」が学校教育の目標になり、多様な方策や実践例が紹介されています。しかし、言葉は異なっても、教育目標は今と昔が大きく変わったわけではありません。基本的な生活習慣をはじめ学習習慣や読書の習慣など、「良い習慣」を徹底的に身に付けさせてやることにつきると私は思います。例えば、小学校で鉛筆や箸の握り方がメチャクチャな児童がいれば、きちんと教えてやる。悪い習慣は放っておくと一生直らないからです。挨拶や姿勢、早寝・早起き・朝御飯も同じです。さらに高学年になると毎日の家庭学習や読書の習慣もしかりです。これらはすぐに役立たなくなる瑣末な知識と違い、生涯役に立つ「生きる力」となるからです。高校生ともなると、学習量も増え難度も高くなります。さらに大学受験となると知識の量も問われますが、最も大切な事は、汎用性の高い、有効期限の長い力を確実に身に付けさせてやることです。例えば、「学習法の学習」とか作文力や人前で発表する力、IT活用能力などもそれです。

 日本の子どもは他国に比べて自己肯定感が低いという調査結果があります。「自分に自信がない子どもが多い」という事です。高校では、学年が上がるにつれて筆記試験の点数がとれず自信をなくしていく子が増え、中には、学業成績が振るわず生活まで乱れてしまうケースもあります。評論家の方から「褒めて育てる」という提言を受けますが、果たしてそれが自信回復の特効薬になるのでしょうか? 学業成績が振るわない子は家庭学習ゼロというケースが結構多く、「家庭学習の習慣」が身についていないことが主な原因です。また、理解が遅い子は「読書の習慣」がなく語彙力が不足している場合が多い。できなくて自信を失っているわけですから、自信を持たせるための一番の正攻法は、「できるようにしてやる」ことしかありません。と考えると、まず「良い習慣」を徹底的に身につけさせることからは始めるべきだと考えます。年齢が高くなると、読書も学習も習慣づくりには根気はいりますが、若者は「できる」ようになると自信が復活し、目標を見つけます。そうなれば、放っておいても自然と伸びていくものです。

 私が若い頃、先輩の先生から「バタバタと廊下を走ってきて、そのまま、ガラッと戸を開けて教室に入るな。入る前に立ち止まり、一呼吸おいてから戸を開けろ」と言われたことがあります。わずか数秒ですが、その時の空気から休み時間に何があったのか、前の授業がどんな雰囲気だったのかを感じ取ることができます。当然、同じ指導内容であってもクラスによって授業のやり方が変わります。これも教師としての習慣づくりのひとつです。と考えると、「習慣づくり」は生涯続く『什の掟』かもしれません。

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