2009/5/13 水曜日

ゆらぎとたたずみ

Filed under: おしらせ — admin @ 11:09:25

文徳中学・高等学校のことをもっと知りたいと思っている小学生・中学生とその保護者の方々へ  

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         『ゆらぎ&たたずみ』

           学校長 荒木 孝洋 

新校舎に移転し玄関のドアもトイレの照明も自動になった。ドアは人が出入りするたびに開閉するが、閉まったドアの前に何時まで立っていてもドアは開かない。トイレのセンサーも同様だ。入ると電気は点灯するが、長く座っていると消えてしまう。当たり前のことだが、センサーは実に精巧にできており、ドアもトイレの照明もかすかな時間内に動く「ゆらぎ」にしか反応しない。

 考えてみると、人間の五感もセンサーに似ている。変化や「ゆらぎ」には敏感に反応するが、止まっている物には鈍感で、物が近くにあっても気づかない場合がある。例えば、「視覚」は動くものに最優先で反応する。壇上で話していると、薄暗い会場の奥でも人が動くと目に入る。

「嗅覚」はかすかな臭いでも変化を感じとるが、同じ臭いが充満している部屋に長く居続けると臭いの感覚は消えてゆく。

「触覚」も同じだ。皮膚に何かが触る変化を感じとるが、身につけている下着は動かないので着ている下着の触感を感じとれない。つまり、人間の五感はかすかな変化にもセンサーのように敏感に反応するが、変化のない世界、「ゆらぎ」のない世界では働きがいったん止まることになる。そして、五感の微妙な反応は人の心に感動を呼び起こす。特に、子どもたちはそうだ。変化する光景に感動し、流れるメロディを聴いて感動し、なんともいえない匂いに感動し、おいしいものを味わい感動し、柔らかな肌触りに感動する。子供が育っていくためには感動を必要とする。いや、感動すること自体が生きている証かもしれない。

 しかし、機械センサーと人間の五感センサーには違いもある。機械は24時間いかなる状態でも同じような反応を示すが、人間の五感は変化ばかり続くと金属疲労を起こし作動しなくなる。同じ変化が続くと感度が鈍くなる。人の五感の感度を正常に保つには「ゆらぎ」に加えて「たたずみ」が必要だ。つまり、黙想や座禅などのように体を静止した状態にするとか、家庭や自然の中でユッタリとした時間を過ごす、睡眠といった「たたずみ」が必要だと考える。「ゆらぎ」と「たたずみ」のほどよいバランスが感動を本物に昇華する。授業や部活動、各種行事や体験学習を通して「ゆらぎ」の感動を! 窓から見える戸外の花や緑に、小鳥のさえずりに「たたずみ」を! 新しくなった文徳学園の新校舎の設計ポリシーは、机に座ったままでも「ゆらぎ」と「たたずみ」を享受できるということである。

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