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2025 穀雨

【女子ソフトテニス部】2025年4月27日

賢者の検索

先日、本を読んでいたらこんな言葉がありました。

上手くいかない人は、いつも「なんでうまくいかない?」と脳内検索をする。逆に上手くいく人は、いつも「どうしたらうまくいく?」と脳内検索をする。

原因を追求することは大事ですが、そこで止まらずその解決策までを模索しているか。今の子供たちに求められる「生きる力」です。そしてこの「賢者の検索」という表現がなんとも言い得て妙でした。

 

 

しばらく間が空きましたが、その間、2人で部を再興させて今の文徳高校女子ソフトテニス部という大きな財産を残してくれた北田と田村は卒業式を迎え、それぞれの新たな道へと歩みを進めました。

 

 

 

人数不足ばかりはどうにもならず2人だけでの練習が続き、できる限り充実した練習をさせてやりたいとOBやOG、知り合いの先輩たちに声をかけて練習相手になってもらうように。2人が2年生になって坂本が入部して、同じ状況が続く中、秋が1つの山場でした。3人しかいなかったため、出場する2人を選出することになり、北田と田村を呼んでそれぞれ話をしました。

 

秋の新人戦、俺としては2年生のお前たち2人を出そうと思う。2人にとってここから総体までは全部が最後の試合になるし、なにより2人が作った部活だから。勝ち負けもあるだろうけど今まで続けてきたテニスを最後までやってほしい。優衣には申し訳ない

 

すると田村がすかさず言いました。

 

え、なんで私ですか。坂本ですよそこは。

 

田村ならそう言うだろうと予感はしてました。同じ後衛として、確かに結果だけ見れば坂本なんでしょうが、それだけを理由にするわけにもいかないという思いがありました。田村自身が、テニスが好きだからです。

 

坂本なら絶対九州大会行ってくれますよ。私は坂本の試合を見るの好きだし、どこまで行くか楽しみで、それを応援したいです。

 

普通の高校生ならこんなこと言えませんが、これが田村の人柄です。後輩のために決断をしました。

 

梨珠が自分じゃなくて優衣を出してくださいって言ったよ。自分の想いもあるだろうけど今回は梨珠の決断でいくから、あいつの分まで頑張っていい試合見せてあげな。

 

「責任」と「覚悟」。その気持ちを忘れずに試合に臨み、うちの部で初の九州大会出場を決めました。3人で勝ち取った大きな大きな1勝でした。これは私自身も一生忘れることの出来ないドラマでした。

 

 

 

そんな田村から卒業式の日に手紙をもらいました。その一部を少し載せます。(掲載了承済)

 

まず、3年間お世話になりました。先生には部活以外でも話聞いてもらったりほんとに感謝してます。2年でマネージャー状態になったとき、みんなが気にしてくれたほど落ち込んでなかったし、2人が成長していく様子を一緒に見守れてよかったなって思ってます。自分以外の成功を心から喜べる経験はあまりできないと思うから新人戦で出ないっていう選択をしたうちは正しかったと思います。いつもへらへらしてる分、裏で病みやすい性格もばれてたと思うけど、先生が思ってるよりほんとに楽しかったので先生の判断も正しかったし、あのときのこと申し訳ないとか思わないでくださいね。

 

本人も言うように、人前では明るく振舞い、自分の弱さは見せないけど、人一倍思いつめるタイプの選手なので、あの時の決断が私の中でもしばらく靄がかかったような状態でしたが、春になって1年生(現2年生)が入部し、最後の総体では自身の存在価値をしっかりと示してくれました。引退後も自分の進路決定に向けて最後まで足掻く姿がとても印象的で、まさに努力の天才という表現が合うのかもしれません。

後輩たちはその大きな背中を見て何を感じたのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

さて、令和7年度は新入部員を4名迎えて計12人でスタートしました。先日4/19,20に行われた国体市予選の後、1年生の4人は「先にコートに行って練習してます!」と言って自分たちで考えて練習をしていました。気づいたら照明をつける時間まで…。この一生懸命さは「強さ」です。これからの成長が楽しみです。

国体市予選は坂本・田村の推薦ペアを除いて5ペア出場。前村・松波ペアがベスト16。3ペアは敗者復活から県予選に、惜しくも1ペアが県予選に進むことはできませんでした。

 

 

実はこの4月までにもドラマがあったのですが、それはまたいつかここに書くことになるかもしれません(未確定事項です)。

 

 

 

 

 

 

 

気づけば高校総体まであと1ヶ月になりました。このチームの「夢」は何でしょう?今年の高校総体が彼女たちにとってどんな大会になるんでしょう?新チームになって1年、たくさんの出会いと学び、そして成長があり、「あのときは、、、」「次こそは、、、」と過去や未来を膨らませながらここまで来ましたが、それらを膨らませるほどかえって「今」が霞んでいくような気もします。

やるなら今しかない。「今」にしがみついて、「今」を全力で生き抜いた果てに、彼女たちがどんな花を咲かせるのか、それを楽しみにしながら全員で残りの時間を駆け抜けたいと思います。

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