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【女子ソフトテニス部】2025年9月14日
「今日までの自分」から「輝かしい自分」へ
「今までこうだったから」ではなく、「今からこうなるんだ」という考えにフォーカスすること。過去の延長線上で生きると決めた人の未来は「今日までの自分」です。対して、輝かしい自分というゴールを設定した人の未来は「輝かしい自分」ということです。過去の事実をあれこれ言うことに時間を使うよりも、これからの新しい発見に手を伸ばすことに時間をかける方が有意義です。前を向いて歩く人と後ろを気にしながら歩く人、その差はどんどん広がるばかり。
白露(はくろ):夜中に大気が冷え、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。降りた露は光り、白い粒のように見え、日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まっていく時期。
…と言うにはまだ程遠い時期です。毎日顔を見せる太陽とは裏腹に、木陰で顔をうつむきたくなるような日が続きます。夏休みが終わって2学期が始まり、区切りという意味では夏の終わりです。感傷に浸ってる場合じゃありません。過ぎ去った日々を反芻し、来るべき秋の静かな始まりを、心で迎えるための時間です。夏とは違う勝負がまた始まる。この静かな夏の残響を、忘れずに心に留めていきます。そこには、彼女たちがこの夏を生きたという証が確かにあります。
この夏はチームとしても初めての経験をした夏でした。1年生大会には2ペアが出場し、どちらも1勝した後の2戦目で、何度もあったチャンスをモノにできず敗退してしまいました。自分の考えと、実際に起こっていることとのギャップを埋めていく必要がありそうです。高校テニス歴は周りと一緒。ここからどう成長していくのか楽しみです。
1年生大会の翌日から、今年も北九州近県大会に参加させて頂きました。新しいことに挑戦し始めて、実践でどれほど通用するのかを試すための大会です。初日はリーグ戦+順位決めを行い、2日目はその順位に応じて全40チームでのトーナメントです。
これまた大量の課題が見えました。思わず初日が終わって宿舎に戻るとその書き出し作業と共有。
基本的に相手のミスで点が決まっていくため、こちらからの決める点が少ない。前衛も後衛も持っている勝負球が少ないので、大事な場面で仕掛けられず、決め手に欠けてしまいます。前衛は変わらずネットから離れたミスが減りません。秋までにどこまで潰していけるか、そして来年の総体で全く違う自分に変わることができるか。試されています。結果としてはAチームが昨年と同じベスト8でした。試合の中には新しく始めたことが通用した場面もいくつかありました。収穫です。
北九州から帰って1日空けると、長崎県は島原市で2泊3日の夏合宿を行いました。ここでテニス漬けになって、個々のスキルアップはもちろん、コート外でも日頃気づかないものに目を向けることで、人としての成長を期待したいという思いもありました。
初日は、悪天候によりフェリーが欠航になってしまい、急遽天水体育館に切り替えての練習です。インドアということで、いつもとは違うサーフェスなので、ボールのバウンドの違いや、滑りにくいことからしっかり足を動かすことを今まで以上に徹底しました。間には振り回しを行ったり、いつも以上に追い込む部分もありながらしっかりと負荷をかけた練習ができました。キツイときにどれだけ必死になれるか。コーチ達も5人集まってくれて感謝です。
練習後、雨予報が変わることなくこのまま継続するのは厳しいと思われましたが、保護者の方の前向きなご意見とご協力もあって、陸路に切り替えて島原入りをしました。
宿舎につくと自分たちで夕食作り。合宿らしい場面が見れました。保護者の方からも、「家であんな姿見たことないですよ。自分から皿洗いしてるところなんて…(笑)」。なかなかやらないことなので、和気藹藹とする様子も含めて「素」が見れたような気がします。日頃の感謝を改めて実感させて頂きました。
その日の夜は島原でも雷雨が止まず、中々部員たちも寝付けなかったのか、頻繁に食堂に顔を出しに来ていました。ニュースでも熊本の報道ばかりで、その被害の大きさを知らされるばかりでした。被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
その一方で、保護者の方とこの1年間のチームの成長や来年の夏に向けてのことなど、たくさんのお話しをさせて頂いて僕自身すごく楽しい時間でした。お付き合い頂きありがとうございます。
合宿2日目。この日も午前中は雨予報。朝食作りからスタートです。お湯を注ぐだけで褒められるとは…よくできました(笑)
1日練の予定でしたが、天候には敵わないのでこれを機に座学をしてみました。ある部員は「数学持ってきた!」と…。夏休みの宿題の時間じゃなくて、もちろんテニスの勉強です(笑)
改めて自分の得意なプレーと苦手なプレーを言語化。本題は選手名を伏せたジャッジペーパーを見せて、それぞれの選手の特徴を読む。後衛ならば得意・苦手コース、前衛ならば上と横のどっちが強いのか、ファーストサーブの成功率など、いろんな視点で見ることで、思考の幅を拡げます。動画で試合を振り返ることはあっても、ジャッジペーパーを見て振り返ることはそれよりは多くないので、実際の動きを脳内イメージして考える訓練としては良かったと思います。
前村はジャッジペーパーを見て「この後衛ミス多すぎやん。ミスしかしてないヤバい。」と他人事のように言ってましたが、そのジャッジペーパー...あなたの試合です。「ウチか~~!」オチまで完璧でした。とかなんとか、思いの外しっかり考えた上で本音が出まくりの午前中でした。
午後からは次の宿舎に移動して、雨が小降りになるのを待ちながら、何とか昼過ぎからはやっと練習できる天気になりました。じっくり地に足をつけてフォームの確認やサーブ・レシーブといった基礎練から。特に後衛は流しの中ロブを1つ課題として。コーチも2人帯同してくれたので、いつもよりじっくりと確認をしながら取り組み、短時間でしたが質を求めた練習ができました。
宿舎に戻ると、夏合宿と言えばのイベントが。しっかり準備してたそうです。花火。どこに忍ばせてたんでしょう...。宿舎の目の前が砂浜ということもあり、これも夏の思い出作りですからね。ライターを買いに行かされたのはここだけの話にしておきます。「先生!火!」もうなんでもどうぞ...。
合宿最終日。天気も晴れ、湿度は高く、太陽は高く、追い込むには持ってこいの気候になりました。午前中は前衛と後衛に分かれて自分たちの課題にピンポイントに取り組みました。スマッシュやボレーからのフォローの浮き球を詰める動きや、後衛は右のランニングショットからの連続プレー。実践に寄せた動きの訓練です。「練習上手」からの脱却はとことんやって身体に染み付かせるしかありません。もちろんその前に理論として理解していないといけませんが、1年前に比べると少しずつですがその”頭”の部分も鍛えられてきてるように感じます。
午後からは形式練習。新たな武器を取り入れたら即実践。当然すぐに上手くいくなんてないですが、試合の中での引き出し方を見つけることが大事です。暑いながらも全員で声を出しながら最後まで集中力を切らさずに練習できました。
初の試みの夏合宿は、予定とは大幅に変わりながらもなんとか日程としては終えることができました。家庭の都合等で全員で最終日を迎えることはできませんでしたが、それでも「チーム」を感じる3日間になりました。これもすべて保護者の方のご協力があってこそです。1年生大会から北九州遠征に続いて連日のスケジュールでかなり無茶をお願いしてきましたが、おかげさまで普段できない経験をさせて頂き、チームに必要な自分の役割を考える貴重なきっかけになりました。
いよいよ11月には秋の団体戦がやってきます。2年生にとって、団体戦は高校総体を含めてあと2回。昨年のこの大会ではあと一歩のところで勝ちを逃しました。今度こそ。勝つまでやります。勝つまで言い続けます。ただそれは、誰の力でもなく、自分たちの力で成し遂げなければ意味がありません。関わって頂いている多くの方々にプレーで返したい。そしてそれを、次の時代に送りたい。恩返しと恩送り。その繋がりを噛みしめながら、残り2ヶ月を全速力で駆け抜けます。
「伝わる」は「伝える」から始まる。だから、「伝える」。
【女子ソフトテニス部】2025年8月17日
周りに火を灯す
立秋というにはあまりにも暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
約3ヶ月空いてしまいました。関係者の方からもかなりせっつかれました。僕自身の勝手な思いで申し訳ないのですが、書いてしまうと本当に終わりなんだと認めてしまうような気がして…。あの熱量を感じられるのはあの時のあの場所しかありません。むしろあれからほぼ毎日あの日のことを思い起こしています。とはいえ、新チームも走り出していますので、この辺りで備忘録として残しておきます。
このチームは、個々の能力がずば抜けて高いわけでもなければ、練習時間がかなり多いわけでもありません。選手としてもまだまだ甘い部分が多く、ここぞというときには引っ込み思案で安全志向。はっきり言って「練習上手」な部員が多いので、大会だけでなく練習試合ですら、ここ一番で力を発揮できず、同じような負け試合を何度も経験してきました。選手たちが自分の「殻」を破る日はいつなのかと、この日が迫ってくるにつれて、やってきたという自信の裏側に僕自身どうしても拭えない不安がありました。
個人戦の先行実施ではなんとか全ペア通過し、翌週に繋ぎました。そして、一息つく間もなく団体戦当日を迎えます。
5/30(金)。高校総体の総合開会式に合わせて、午後から団体戦の1回戦が実施されました。人吉高校相手に、結果としては②-1で勝利したものの、詰めの甘い部分が目立ちました。2番で出た吉元・原田は相手の大将ペアにファイナルで競り負け。3番の前村・松波は結果としては④-0だったものの相手に合わせてしまう試合運びに。
このチームはまだまだこんなものじゃない。試合が終わるとすぐに翌日の2回戦に向けて先輩たちを呼んで練習相手になってもらいました。平日の忙しい中に集まってもらってほんとに頭が上がりません。この恩は試合で返します。
ドローが発表されたときは思わず笑みがこぼれました。秋のリベンジができると。恐らく、部員も同じことを思ったのではないでしょうか。何のめぐり合わせか、2回戦の相手は秋の団体戦で惜敗した第3シードの尚絅高校です。それも秋と同じD5コート。景色は同じですが、勝ちに行く想いと自信はあのときとはまったく違います。去年この場所で蒔いた「種」がどんな花を咲かせるのか、彼女たちの集大成となる試合です。
うちのチームの強さは「爆発力」です。「チームのため」という想いが、彼女たちにとっては追い風になります。ただ、それでも今までは「あと1歩」が遠かった。その「あと1歩」を埋めるべく、ここまでやってきました。ドラマの主役は彼女たち自身です。
今回も事前に坂本と話をしてオーダーは決めていました。2面展開で実施され、1番に坂本・田村、2番に吉元・原田からスタートです。「後ろには頼もしい後輩たちがいるから、優衣のやりたいプレーで勢いつけて来い」とだけ伝えて。
2面展開でやるのが勿体無いと思うくらい面白い試合を見せてくれました。坂本・田村はG3-2のマッチを相手に凌がれてファイナル。少し遅れて吉元・原田がG2-3を粘って同じくファイナルへ。目の前の1球に込める想いが伝わってくる試合で、思わず僕自身もベンチから声が出ていました。
坂本・田村は5-2リード。坂本は秋とは違って持ち前のストロークを終始打ち続け、簡単に相手に攻めの一手を握らせませんでした。追われる側が受けてはいけませんが、相手も負けられない理由がある。気持ちのぶつかり合いです。徐々にその差が埋まっていき、最後はG3―④の逆転負け。「よくやった。勝負したやん。でもいま紫乃がやることは泣くことじゃなくて応援することやろ。」試合終了後、下を向いたまま顔を上げられなかった田村ですが、明らかにこの試合で殻を破って見せました。
一方の吉元・原田は3-5ダウン。高校総体はまだここから何が起こるか分からない。それを知っているからこそ、この勝負に全力を注ぐ彼女たちの姿を一番近くで見れる僕は幸せ者です。
G3―④。
アップセットは起きませんでした。まだ足りなかった。
チームに勢いがあることは、チームが勝つための必要条件であって、十分条件ではありません。勢いだけでは乗り切れないのが高校総体。兆しはありましたが、簡単には届かせてくれませんでした。
試合が終わった瞬間、この1年間が一気に脳裏に呼び起され、何も考えられなくなったのを覚えています。この子たちが紡いできた1年間のドラマを結果としてのハッピーエンドで締めくくることはできませんでしたが、見ている人の記憶に残る試合をしてくれたことは間違いありません。チームの団結力も、戦い抜いた2ペアも最後まで神様に祈ることなく、自分たちの力で人の強さを見せてくれました。
落ち込んでる時間も束の間、個人戦が残っています。トーナメント1発勝負。その瞬間に心技体を「合わせる」こと。どれか1つ欠けてもいい結果は生まれません。その中でも「心」で勝負。その1点、その1球に泥臭くしがみつくプレーもあれば、お得意の(得意になられては困るんですが)ビビリを出して勝負に行かないプレーも。どちらかというとリードされて自分たちからテンションを下げていく「戦わない」試合になってしまいました。後から気づいても時すでに遅し。相手は待ってくれません。ここに懸けてるんですから。
唯一最終日に駒を進めた坂本・田村ですが、これまた自分に打ち克てずに終わるのかと思わざるを得ない試合でした。3回戦、4回戦と坂本は攻めのボールを打点を落として縦面で入れにいく、田村はとりあえず動くことで頭がいっぱいで、大事な場面で簡単に抜かれる。不安しか伝わって来ないプレーでした。3回戦ではファイナル逆マッチを握られ、相手のミスに助けられて辛勝。続く4回戦も、団体戦のときのような覇気はなく、声も出ない、意図のないプレーの連発。自滅の一歩を辿っていました。流石に見てられず、ファイナルに入る前のチェンジサイズで一言だけ言いました。
「優衣、お前の3年間そんなもんじゃないだろ。しっかり振れよ。」
最後は相手を突き放して、なんとか最終日に繋ぎました。G3-2から振れなくなった去年と重なりました。あのときもファイナルになって集中力を取り戻し、1-5から追いついたものの惜敗しましたが、今年はそこで勝ちにしがみつきました。
最終日、雨の降る中ベスト8決めが全面で一斉にスタートしました。相手は団体戦で敗けた尚絅高校の大将ペア。上に行くならここを超えない限り次はないと自分自身に言い聞かせていました。そして「テニス楽しんで来い」とだけ伝えて送りました。
これが坂本にとって人生最後になってもおかしくない試合です。本人もこの勝負は譲らないとばかりの面持ちでしたが、前日と明らかに違ったのは、笑顔が絶えませんでした。そしてそれは田村も同じだったようです。本当にドラマ制作に向いてるんじゃないかというほどの試合展開で、団体戦のときとは違い今度はG2-3から耐えてファイナル。勝ち負けのプレッシャーよりも、この場面でもテニスを楽しむことをプレーで見ている人たちに示してくれました。正直このまま試合がずっと続いて欲しかったと今でも思います。
G3―④。坂本最後の高校総体は最初と同じベスト16で自身のテニス人生に幕を閉じました。
試合後の2人の顔には悔しさというよりは、どこかすっきりとした表情を浮かべていました。面白かったです。
総体を終えて
団体戦では新人戦で負けた学校と戦い、一番手という事もあって半年前に比べ弱気なメンタルもなく、正々堂々と戦うことができた。しかし、後輩たちの涙を見るとこんな先輩で申し訳なかったなとすごく感じる。同級生がいない状態で後輩たちには気を遣わせどんな時も一番近くで支えてもらった。私は恩返しをすることなく引退をしたことには悔いがある。ここまで付いてきてくれた後輩たちには自分達の代で笑顔で終わってほしいなと感じる。
個人戦では一日目からハラハラする試合だった。去年はベスト16決めで負けていたので、去年の結果は越したいという気持ちがあった。全然ラケットが振れない中、後ろからの味方の応援で絶対に勝ちたいという気持ちが大きくなった。無事ベスト16が決まって、しのさんが涙したときには本当に重いプレッシャーを与えてしまっていたなと感じた。自分よりもしのさんの方が組んできた一年間すごくきつかったと思うし、大変な思いを沢山させてきたと思うけど、練習の時や試合の時、どんな時も上手くプレーができない自分に、いつも優しく声をかけてくれて励ましてくれて、テニス人生最後のペアがしのさんで良かったなとすごく実感した。九州大会やインターハイに出場できず沢山の応援に応えることはできなかったけど、自分自身として悔いのないテニス人生になった。
今まで支えてくださった先生や先輩方、保護者の方や後輩達には感謝の気持ちでいっぱいです。同級生がいない状態で、沢山の方に気遣いや迷惑を沢山かけてしまっていたと思うけど、ここまでやってこれたのは皆さんの支えがあってからこそだと思うのですごく感謝しています。来年はもっと上を目指してこれからも頑張ってください。
終わりました。チーム坂本。
同級生がいない中たった1人で入部して、2年後、この子の代にはどうなっているんだろうと、正直不安しかありませんでした。今までのように1人でテニスをすることになるのかと。本人自身、表向きはあっけらかんとしてる人物なので、そんな大げさには捉えていなかったと思いますが、先輩たちが引退して自分の代になると、その気持ちにも変化がありました。
2年生の頃の秋の新人戦市予選。これが1つのターニングポイントだったように思います。(2024年11月4日のブログでさらっと話題にしてます。)初戦敗退。本人の中にも焦りと不安がありました。ただそれは、今思えば自分のためではなく、後輩たちのためであったんだとはっきり分かります。
後輩たちとの気持ちのすれ違いに気づいたまま臨んだ秋の団体戦は3番勝負で敗け。ハイジャパや選手権などの個人戦ではペアの田村のことを常に考えてプレーしていました。そして最後の高校総体。
坂本が何か頑張るときは決まって ”誰かのため” です。最後の中体連は前年の先輩たちのため、高1のときの新人戦は自分を選手に推してくれた先輩のため、そして高校総体は団体戦を後輩たちと一緒に戦いたい、応援してくれる人たちのために自分がプレーで返すことを目標としていました。そんな子です。
最後にもう1つ、坂本とのやりとりを紹介します。高2の3月のことでした。チームミーティングをしようとしたんですが、途中で打ち切りに。坂本に最後の総体の目標を聞いたときに帰ってきた言葉は
「ベスト16」
何を言い出すのかと思えば、勝負の場から降りるつもりでした。高校総体が終わるのが6月頭、インターハイは7月末。そこまでテニスを続ける余裕がない。それが本人の思いでした。
だとしても、だとしてもです。最後までやった結果届かないなら納得もいくかもしれない。ただ、やる前からそんな気持ちでそれが最後になるのはどうなの?いまその言葉を聞いて残り3ヶ月どういうモチベーションでチームを作るの?当然後輩たちも右に倣えでした。
そのあと坂本と2人で話をしました。
「勉強がやばいっていうのは本当で、受験に力を入れないとって本気で考えてて。去年はまだ進路のこととかぼんやりだったし、本気でインターハイに行きたいって思ってました。でも、3年生になって勉強に焦りが出て、やらないとって思うけど、正直私は勉強もテニスもどっちも頑張れないから、高校総体が終わって完全に切り替えようと思ってます。でも、先生が私の試合を最後まで見たいって言ってくれるから、そこまではテニス頑張りたくて。」
不器用な子ではあるので、なんとなくその気持ちは分かりました。本当はこのことを口にするのも嫌だったんだろうと思いますが、涙ながらに口を開いて勇気を出してくれました。とはいっても僕は、それで勝負を諦めることだけはして欲しくない。自分のテニス人生を締めくくるこの試合で、自分の中でも踏ん切りをつけて、残りの3か月間、後輩たちのために何かを残して欲しいと伝えました。
「優衣の気持ちはよく分かった。でも勝負の場からは降ろさせない。優衣のいけるとこまでやって勝負には負けるな。九州総体、インターハイ、そこは後輩たちに託そう。せっかく1人でうちに入ってきてくれて、後輩たちも集まってここまでやってきたんだから最後まで戦う姿見せろ。」
最後くらいは”自分のため”に、と思っていましたが、チーム競技である以上、彼女にとっては”誰かのため”が原動力になるんだなと。そうはいってもこれからやってくる受験は自分のためですからね。
本人自身、リーダーシップを発揮してチームを引っ張っていくような人柄じゃないですが、気づかないうちに、自分を中心に周りがどんどん明るくなっていきました。そして自分の火が消えそうになっても、そのときは周りの人が再び火を灯してくれました。常に周りに愛を注いでくれたからこそ、自分の周りに愛が溢れたんです。周りに火を灯してくれた人です。僕自身もすごく尊敬できる選手です。これからチームは離れますが、たとえ1人になったとしても独りではないってことを忘れないでください。
というようなことが裏側でありながら、最後の3ヶ月を駆け抜けました。そして最後のコートにはしっかりと花が咲きました。最後の最後まで水やりを続けた結果です。毎日少しずつ前に進み続けた結果です。これからの受験勉強にも十分に活きるはずです。何を拾って、何を捨てて、何を選んで歩くにしろ、悩んで迷って決めた選択が「これでよかった」と自信を持って言えるように新チームでもその意思を継いでいきます。
遅くなりましたが、旧チームは大変お世話になりました。新チームもまた新しいことにどんどんチャレンジしていきます。スポーツ選手として以前に1人の人間として、昨日とは違う今日を、昨日の自分よりも成長した今日の自分になれるように日々精進していきます。
【女子ソフトテニス部】2025年5月23日
最後まで
先日、コートの横で蜜蜂の羽音が鳴るのを聞いていました。
私たちはしばしば「大きなこと」や「役に立つこと」に価値を見出します。足元の雑草や草花、小さな虫はどうでしょう。コートの隅に咲いている花は誰の目にも触れないかもしれませんが、その香りや色は小さな虫たちの営みに欠かせないもので、その虫が運ぶ花粉は自然を更に大きくし、最終的には私たちの食事や健康にもつながっていきます。人知れず生きて朽ちていく命は私たちの生活を大きく支えてくれているんだと。
小さな命とはその大きさを測る物差しが間違っているだけ。その価値は大きさや影響力で決めるものではなく、そこに存在した事実こそがすでに大きな爪痕を残しているんです。「小さい」ものは時には言葉よりも心の奥深くに届き、心を大きく動かしてくれます。
部員たちはその「小さなこと」にどれだけ目を向けているでしょう。「それくらい…」と思うようなことがいざ大きなことを成し遂げるときに最後の一押しをしてくれるものです。
今回のタイトルの「小満」。あれからもうこんな時間が経ったのかと、高校総体が近づくにつれてこの1年間を思い返す毎日になっています。順風満帆とはいきません。帆も傷つきながら、ただ誰かが必ず漕ぎ手となって舟を進めてくれたおかげでここまで辿り着いて来れました。あと少しで最終地点です。
部員たち自身の頑張りがチームを、そして自分たち自身をここまで大きくしてくれたことは言うまでもありませんが、その頑張りを支えてくださった保護者の方や先輩方の存在は本当に大きかったと実感しています。そして彼女たちにはその恩をそのまま返すのではなく、次の「誰か」にバトンを繋いでもらいたい。恩送り(Pay Forward)です。それが他の部員の保護者でも、他の先輩でも、そして他のチームメイトでもいいんです。部活動という小さなコミュニティで人と出会い、お互いに支え合いながら想いを繋ぐ。記録として残るわけではないですが、そこにはたくさんの「恩」があって、チームの「今」を作り、「未来」を紡いでいってくれるはずです。それが彼女たち自身が作るストーリーです。
さて、そんなチーム坂本のストーリーも結末を残すのみとなりました。終わり方は自分たちで。この高校総体が彼女たちの人生にとってどれだけ大きな転機となるのか、1人1人がどういった気持ちで臨み、すべてが終わったときに自分の中で何が変わっているのか。そこに次のステップへのきっかけをまた1つ見つけにいきます。チャンスは他の誰にも頼ることなく、自分で掴んでみせます。
求めなさい。そうすれば、与えられる。
探しなさい。そうすれば、見つかる。
門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。(マタイ福音書7章7節より)
≪高校総体日程≫
5/25(日) 個人戦1回戦 @パークドーム
5/30(金) 団体戦1回戦 対 人吉高校 @運動公園メインコート
5/31(土) 団体戦2回戦~ @運動公園メインコート
6/1(日) 個人戦2回戦~ @運動公園メインコート
6/2(月) 個人戦ベスト16~ @運動公園メインコート
文徳高校女子ソフトテニス部の歴史に刻まれる、そして、応援してくださっている人たちの記憶に刻まれる試合を約束します。昨年とはまた異なる色を纏ったチームを是非その目で見に来て頂けると幸いです。
最後に僕の好きな曲の歌詞の一部を紹介します。是非調べて聴いてみてください。ここ一番で自分を奮い立たせてくれる、勇気をくれるそんな曲です。
自分の力で叶えられるかもしれないことを神様にお願いしちゃだめだよ
汗かいて べそかいて もうだめかもって思うまで走ってみよう
まだ何も終わってねーぞ 転ばねーことが目的じゃねーぞ
お前は終わってねーぞ 誰が笑ってたって終わらせんじゃねーぞ
祈るのはまだじゃねーの 人間はそんなに弱くねーよ
【女子ソフトテニス部】2025年4月27日
賢者の検索
先日、本を読んでいたらこんな言葉がありました。
上手くいかない人は、いつも「なんでうまくいかない?」と脳内検索をする。逆に上手くいく人は、いつも「どうしたらうまくいく?」と脳内検索をする。
原因を追求することは大事ですが、そこで止まらずその解決策までを模索しているか。今の子供たちに求められる「生きる力」です。そしてこの「賢者の検索」という表現がなんとも言い得て妙でした。
しばらく間が空きましたが、その間、2人で部を再興させて今の文徳高校女子ソフトテニス部という大きな財産を残してくれた北田と田村は卒業式を迎え、それぞれの新たな道へと歩みを進めました。
人数不足ばかりはどうにもならず2人だけでの練習が続き、できる限り充実した練習をさせてやりたいとOBやOG、知り合いの先輩たちに声をかけて練習相手になってもらうように。2人が2年生になって坂本が入部して、同じ状況が続く中、秋が1つの山場でした。3人しかいなかったため、出場する2人を選出することになり、北田と田村を呼んでそれぞれ話をしました。
秋の新人戦、俺としては2年生のお前たち2人を出そうと思う。2人にとってここから総体までは全部が最後の試合になるし、なにより2人が作った部活だから。勝ち負けもあるだろうけど今まで続けてきたテニスを最後までやってほしい。優衣には申し訳ないけど。
すると田村がすかさず言いました。
え、なんで私ですか。坂本ですよそこは。
田村ならそう言うだろうと予感はしてました。同じ後衛として、確かに結果だけ見れば坂本なんでしょうが、それだけを理由にするわけにもいかないという思いがありました。田村自身が、テニスが好きだからです。
坂本なら絶対九州大会行ってくれますよ。私は坂本の試合を見るの好きだし、どこまで行くか楽しみで、それを応援したいです。
普通の高校生ならこんなこと言えませんが、これが田村の人柄です。後輩のために決断をしました。
梨珠が自分じゃなくて優衣を出してくださいって言ったよ。自分の想いもあるだろうけど今回は梨珠の決断でいくから、あいつの分まで頑張っていい試合見せてあげな。
「責任」と「覚悟」。その気持ちを忘れずに試合に臨み、うちの部で初の九州大会出場を決めました。3人で勝ち取った大きな大きな1勝でした。これは私自身も一生忘れることの出来ないドラマでした。
そんな田村から卒業式の日に手紙をもらいました。その一部を少し載せます。(掲載了承済)
まず、3年間お世話になりました。先生には部活以外でも話聞いてもらったりほんとに感謝してます。2年でマネージャー状態になったとき、みんなが気にしてくれたほど落ち込んでなかったし、2人が成長していく様子を一緒に見守れてよかったなって思ってます。自分以外の成功を心から喜べる経験はあまりできないと思うから新人戦で出ないっていう選択をしたうちは正しかったと思います。いつもへらへらしてる分、裏で病みやすい性格もばれてたと思うけど、先生が思ってるよりほんとに楽しかったので先生の判断も正しかったし、あのときのこと申し訳ないとか思わないでくださいね。
本人も言うように、人前では明るく振舞い、自分の弱さは見せないけど、人一倍思いつめるタイプの選手なので、あの時の決断が私の中でもしばらく靄がかかったような状態でしたが、春になって1年生(現2年生)が入部し、最後の総体では自身の存在価値をしっかりと示してくれました。引退後も自分の進路決定に向けて最後まで足掻く姿がとても印象的で、まさに努力の天才という表現が合うのかもしれません。
後輩たちはその大きな背中を見て何を感じたのでしょうか。
さて、令和7年度は新入部員を4名迎えて計12人でスタートしました。先日4/19,20に行われた国体市予選の後、1年生の4人は「先にコートに行って練習してます!」と言って自分たちで考えて練習をしていました。気づいたら照明をつける時間まで…。この一生懸命さは「強さ」です。これからの成長が楽しみです。
国体市予選は坂本・田村の推薦ペアを除いて5ペア出場。前村・松波ペアがベスト16。3ペアは敗者復活から県予選に、惜しくも1ペアが県予選に進むことはできませんでした。
実はこの4月までにもドラマがあったのですが、それはまたいつかここに書くことになるかもしれません(未確定事項です)。
気づけば高校総体まであと1ヶ月になりました。このチームの「夢」は何でしょう?今年の高校総体が彼女たちにとってどんな大会になるんでしょう?新チームになって1年、たくさんの出会いと学び、そして成長があり、「あのときは、、、」「次こそは、、、」と過去や未来を膨らませながらここまで来ましたが、それらを膨らませるほどかえって「今」が霞んでいくような気もします。
やるなら今しかない。「今」にしがみついて、「今」を全力で生き抜いた果てに、彼女たちがどんな花を咲かせるのか、それを楽しみにしながら全員で残りの時間を駆け抜けたいと思います。
【女子ソフトテニス部】2025年1月12日
一年の計は元旦にあり
新年明けましておめでとうございます。旧年は大変お世話になりました。今年も文徳高校女子ソフトテニス部の成長を楽しみにしながら見守って頂けると幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
1/5(日)から二十四節季の小寒に入りました。小寒の後の大寒と合わせてこの時季を「寒」「寒中」「寒の内」などと呼ばれ、寒さが一層厳しくなります。
「三冬(みふゆ)」とは旧暦の10,11,12月のことで、現在ではおおよそ11,12,1月にあたります。12月は「師走」と呼ばれますが、「三冬月(みふゆづき)」という旧暦12月の異称にもなっています。
「み冬(みふゆ)」とは冬の美称(上品な言い方)です。昔の人々は、冬を万物が活動を停止する時季として恐れていました。そのため、霊力のあるものを恐れ敬う意味の接頭語「み」を付けて、「み冬」と表現し、今では美称として用いられるようになりました。他の季節にはこういった美称がないところを見ると、”冬の特別感”がうかがえますね。
1/4(土)には初打ち会を行いました。体調不良の波がなかなか止まらず、年末に引き続き全員揃うことはできませんでした。
2025年の始めらしく、全員に今年の漢字を用意してきてもらいました。最初に保護者の前で1人1人に目標を宣言してもらい、キャプテンから保護者への挨拶をしました。折角なのでここで各々の目標を紹介します。
坂本「最」:最後のテニス人生、悔いを残さず自分が納得して終われるように最後までやり切る。
原田「心」:心を強くして、緊張してても自分らしく頑張れるように。日頃の感謝を忘れない。
前村「超」:今までの自分を超えて、試合でも今までの結果を超える。
吉元「上」:自分自身のレベルアップと、もっと上に勝ち上がれるように頑張りたい。
住永「進」:目標に向かって前進していきたい。変化することを恐れずに進化していきたい。
池田「全」:苦手をなくし、全部のプレーを得意に近づけられるように全力で努力する。
松波「暴」:今までは守りの姿勢が強く、後衛に助けられてばかりでした。今年は良い意味でたくさん動いて圧をかけてたくさん暴れたい。
田村「変」:2024年は自分の弱い所や悪い所がたくさん見つかったので、今年は1つでも多くなくしていきたい。
「一年の計は元旦にあり」:物事は始めが肝心で、始める際には最初にしっかりと計画を立てるべきである。
宣言したからには成し遂げてもらいます。何度転んでも自分で掲げたこの言葉を思い出して起き上がるしかありません。保護者の方とも「新チームになってからの半年があっという間だったように、これから6月の総体までもあっという間なんでしょうね。」という話をしました。この半年でたくさんの経験を積んだ彼女たちが、これから夏本番までの同じ期間でどれだけ変化するのかがとても楽しみです。伸びしろしかありません。
さて、この日は先輩たちも来てくださり、一通り練習を終えたら、年始と言えば?のお年玉(お菓子)争奪戦が勃発。2チームに分かれて1ゲーム毎にペアを変えて試合です。ただし、いつもの自分のポジションと逆(後衛なら前衛、前衛なら後衛)というルール付き。お年玉に本気だった松波は半袖というガチモード笑。思わぬプレーに笑いあり涙あり?といった明るい雰囲気で新年一発目を過ごせました。
1月は模擬試験、高校入試、1年生の修学旅行等もあり、練習が十分にできませんが、その間にも自分でできることを探し、限られた時間の中でそれぞれが目的意識を持って自己研鑽に努めます。
最後に、昨年は保護者の方には移動練習や遠征、試合の際の送迎・応援、本当にありがとうございました。おかげさまで選手たちはのびのびと大好きなソフトテニスに打ち込めています。保護者の皆様あっての文徳高校女子ソフトテニス部です。今年も様々な面でご苦労をおかけすると思いますが、昨年と変わらないご支援の程よろしくお願い致します。
【女子ソフトテニス部】2024年12月31日
楽しくも 楽とは言えぬこの道を 行けるとこまで
とある歌詞の一部です。もう少しで短歌になりそうですね...。楽じゃない、やりたくないことと向き合うことが心の成長に繋がる。いわば忍耐力でしょうか、部員たちに気付いてほしい力、そして必要な力です。
さて、今年最後の活動は12/28(土)、運動公園にてupwithさん主催の大会に参加させて頂きました。残念ながら体調不良の部員もいて全員揃っての出場とはなりませんでしたが、大学生や社会人の方々も参加し、日頃お世話になっている先輩方にも久々に会うことができました。この非常に寒い気候の中、大会運営をしてくださったupwithのみなさま、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
今回は私も含め、コーチ陣や先輩たちも参加しました。年末らしく楽しく試合ができたと思います。試合の後も他校生と時間の許す限り練習試合をしてまさしく”テニス漬け”で締めくくることができました。結果は以下の通りです。
前村・田村 : 予選リーグ2位
吉元・原田 : 予選リーグ3位
住永・池田 : 予選リーグ3位
橋本(たまに来るOBコーチ)・美麗(ごく稀に来るOB) : 予選リーグ1位 ベスト16
金丸(たまに来るコーチ)・佐藤(たま~~に来る先輩) : 予選リーグ2位
平石(3年男子)・福田(去年かなりお世話になったOB) : 予選リーグ1位 ベスト16
荒木(3年男子)・中村(女子部顧問) : 予選リーグ1位 ベスト16
翌日にしっかり筋肉痛になりました。私自身約1年ぶりの試合でしたが、もう少し動けると思ってました...。学生の若さには勝てませんね。もっと練習します。
※試合に夢中で写真を1枚も撮ってなかったので、運動公園の芝生と空の写真でも
気づけば4月からがあっという間の日々でした。まさに光陰矢の如し。今年度は部活動ブログを開設して、私たちの活動の様子を発信してきました。有難いことに試合会場や練習の場で声をかけて頂いたり、個人的に連絡をくださったりと、多方面から応援していただき大変嬉しく思います。
このブログを書くにあたって、タイトルには「二十四節季七十二候」を選びました。(思いついたのは高校総体の投稿あたりでしたが)
「二十四節気」とは太陽の日長変化や地球に届く太陽の光量に関わる暦です。四季をを6つに分けることで、1年を二十四に等分し、それぞれの季節に相応しい名がつけられています。季節の訪れを一足先に感じることができ、農作業をすすめるためには今も欠かすことのできない暦と言われています。「七十二候」とは、さらにその二十四節気の各一気(約15日)を約5日ごとに初候、二候、三候と3等分し、1年を七十二に分けたものをいいます。
季節の移り変わりとともに起こる部員たちの心の変化やそのストーリーを植物の成長に準えて綴ろうと思いましたが、部員たちと過ごす日々がなかなかに濃すぎました。喜怒哀楽?紆余曲折?起承転結?ブログには書けてないものまで挙げるとキリがないですが本当に色々ありました。タイトルを書く度にもうこんなに時間が経ったのかと時の流れを実感しています。
高校総体で蒔いた「種」に水をやり、手入れをしながら何とか枯らすことなく今に至ります。問題はこの冬です。より丁寧に世話をしないと、少し気を抜けば枯れてしまいます。先日、練習に来てくれた先輩が一本打ちの練習を見ながら私に言いました。
「こういう練習が本番に出ますよね。インハイ賭けた試合とか3番勝負とか。あんな歩きながら打つボールとかないですもん。特別練習時間が長いわけでもないから、夏に勝ちたいと思うならこの冬しっかり考えて練習しないと勝てないですよ。でもそれって結局一人一人の意識の問題ですからね。」
厳しい意見ですが全くもってその通りです。一本打ちでも意味を持たせていなければただの”作業”です。今のままでは「試合のための練習」ではなく「練習のための練習」にしかなりません。そういうところを練習の一場面を見るだけで見抜かれました。こちらから言い続けるのは簡単ですがやるのは子どもたち自身。年が明けて各々がどんな目標を持ってくるのか、我々指導者側もそれを受け入れ、子どもたちと共有して実践し、春先そして夏に備えていきます。限界は決めません。行けるとこまで行きます。
今年も文徳高校女子ソフトテニス部は本当に多くの人に支えられて活動ができました。お陰様で、とても充実した環境で多くの経験をさせて頂き、成長のきっかけを見つけました。来年も部員ひとりひとりが技術だけでなく、まずは今のこの環境に感謝の気持ちを忘れず、人としての成長ができるように改めて日々の生活から見つめ、部活動に取り組んでいきます。この2024年、女子ソフトテニス部に関わって頂いたみなさま、本当にありがとうございました。来る2025年も私たちの応援よろしくお願い致します。皆様にとって来年も素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
【女子ソフトテニス部】2024年12月25日
成功は必ずしも約束されていないが、成長は必ず約束されている。
サッカー元日本代表監督、ザッケローニ氏の言葉です。人が努力するのは言うまでもなく成功することが目的です。スポーツならば、試合に勝つこと、そのために日頃の練習にも取り組んでいます。しかし、練習を頑張ったからと言って試合に必ず勝つとは限りません。そのときの環境やタイミング、相手の努力量が自分よりも上回っているときは必ず成功するとは限らないんです。しかし、その努力によって人間として成長できることは間違いないです。一生懸命やった先には充実感や満足感といった自分の成長を感じることができ、今までにない世界が見えるようになってきます。次のステップに進むための冬を乗り越えます。この冬でどれだけジブンゴトとして意識を高めて練習に取り組むかが、春先で目指す自分の姿になれるかどうかの境界です。
先日、12/13~15にパークドームで開催された九州高等学校新人ソフトテニス競技大会に参加させて頂きました。初出場の昨年から1年が経ち、沖縄に代わって今年は熊本のパークドームでの開催で、天候は真逆。ドーム内ということもあり周囲の環境への適応力も試されます。
大会期間中も水俣高校さん、熊本北高校さん、先輩方にも来てもらい一緒に練習させて頂き、本当にありがとうございました。個人戦は15日(日)に行われましたが、前日の団体戦は部員全員で午後から試合観戦をしました。九州上位のプレーに圧倒されながらも、こういうプレーができたら...今の場面で自分だったらこうしたけど...などしっかりと考えを持って試合にのめり込んでいました。心を動かされたようです。
12/15(日)。初戦は長崎県の九州文化学園高校です。前半はサーブが安定しなかったもののG2-1。ですが、何か今一つ流れに乗り切れません。要所要所に良いプレーはあるものの、その後のミスが単発で攻め方も単調になってしまいました。結果としてはG2-④敗け。チャンスはいくつもありましたが、そこを見逃して勝てる場相手ではありません。ミスの仕方を考えて、自分の勝負したい場面を作る。「自分から先に仕掛ける」という姿勢が大事だと感じました。
その後も他の選手たちの試合を観戦しましたが、上位に行く選手たちはやはり「余裕」と「メリハリ」がありました。特に前衛は「見る球」と「勝負する球」がはっきりしており、プレーに思い切りが良い。後衛はしっかりとラケット振り切って狙ったボールを再現できている。特に、バックハンドはフォアと同じくらいのボールを打つ選手もいました。うちとは全く違います。知らないプレーがたくさんありました。
早速その後の練習からバックハンドの強化を始めています。明らかに”打ってない”ことが弱点になっているので、まずはそこを日頃から改善しようと重きを置いて練習しています。
九州大会が終わった翌週、12/21(土)は長崎県の島原高校さん、福岡県の筑紫台高校さん、城南高校さんをお招きして練習試合をしました。雨予報が心配でしたが、何とか最後まで保ってくれました。遠い所からお越し頂いてありがとうございました。
錬成会での課題をもとに、「カウントを意識して次の攻めを考える」、「サービスゲームをキープするための攻め方を考える」を念頭に臨みましたが、当然すぐにはできるものではないです。ファーストサーブの確率が低いため、サービスゲームを取ることがほとんどありません。その上、競ったゲームの次のゲームをあっさり落としてリードを許すなど、大事な場面を見逃してしまうことが相変わらず多い。まだまだ再現度は低いですが、それを知るための練習試合です。あとは自分たちがどれだけ向き合っているか。ここからは一人一人の意識の問題です。
高校は冬休みに入り、2024年も終わりが近づいてきました。今年の最後は12/28(土)にup withさん主催の大会に参加させて頂いて2024年を締めくくります。1つでも何かを収穫して終わる大会にしたいと思います。
【女子ソフトテニス部】2024年12月9日
私は失敗したことがない。私はただ、上手くいかない1万通りの方法を見つけただけだ。
白熱電球を開発したエジソンはそれまでに多大な労力と時間を注ぎ込んできました。発明までに数えきれないくらい心が折れてきたことでしょう。しかし彼は、それを「失敗」ではなく「上手くいかない方法」と捉えていたのです。
失敗や挫折が繰り返されると、人はネガティブ思考に陥ります。新しいことになかなかチャレンジできないなんてことも少なくないはず。「成功するまで継続する」のは当然ですが、モチベーションは続くでしょうか。失敗を失敗と捉えず、「成功する方法を絞り込むために必要なもの」と考えれば、それは経験としてプラスになる。自分で「上手くいかない方法」を貯め込むという前向きな考え方にシフトする必要がありそうです。失敗は「自分の目標に近づいている」んです。
さて、いよいよ冬本番と言わんばかりの寒さが一気に到来してきました。あっという間に暗くなり、平日も練習時間がどんどん短くなってボールも見えなくなり、できることが限られてくるため、短時間で密度の濃い練習をと工夫をしながらやっています。何か変わっていこうとサーブやストロークなど色々とチャレンジし始めました。
加えて、この冬は持久力やアジリティー向上にむけて走ります。高校の周りは坂道が多いので、トレーニングには持ってこいです。景色を眺めている余裕のない部員もいますが...。もちろん私も一緒に走ってます。
そんな中、12/8(日)には県内の高校を6校お招きして、山鹿カルチャースポーツセンターテニスコートで錬成会を開催しました。(水俣高校、天草高校、熊本北高校、マリスト高校、ルーテル学院高校、熊本商業高校の皆さま、ご参加頂きありがとうございました。)午前中は4ペアリーグを行い、順位に応じて決勝トーナメントまで、大会形式で実施しました。
後衛は「2ゲームまでは平面、3ゲーム以降はロブを混ぜた立体的なテニスをする」
前衛は「レシーブコースはクロス限定。シチュエーションに応じてシュート、ロブ、ショートを混ぜる」
ペアとしては「ゲームポイントでは後衛前ロブを上げて前衛が必ずリアクションする」
この3つを約束事として、やることをはっきりした状態で取り組みました。ミスの種類を把握して蓄えることが今日の目標です。
当日は風が吹いていたので、普段よりも1つ意識することが増えました。風上、風下で起こることを想定できず、結果として何をすればいいか混乱。前衛は迷うから一歩も動けず...なんていうシーンが散見され、試合が終わってジャッジペーパーを見せに来た部員に「この並行カウントの次は何を考えてプレーをしたの?」「このゲームポイントでの失点はどんなプレーだったの?」と聞きますが、無言。。。覚えてないんです。自分たちがやってる試合なのに。
ボレーが触れるようになった。前のボールに追いつくようになった。サーブの確率が上がった。それはいいんですが、それ以上にゲームの流れを分析できてない。その場その場で思い付きのプレーしかしてないから再現性が身につかない。大事なポイントを見逃してしまう。しっかり話し合った上でプレーしてのミスならまだしも、カウントを追わずに淡々とゲームが進んでしまう。本番の雰囲気がまだまだ足りません。
今週末はいよいよ九州新人です。本番のそのコートでそのプレーで最大瞬間風速が出せないとやってきた意味がありません。試合に出る坂本と田村はもちろん、他の部員も九州上位の試合を見て何を感じるのでしょうか。夏にどんな自分がコートに立っていることを想像するでしょうか。
1万通りまでとは言いませんが、失敗ではなく、成功に近づくための貯金をこの冬コツコツとしていきます。