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2020年11月の記事

2020年11月13日

生徒および保護者の方々へ 校長室から11月号

  10月は気候も安定し、少し肌寒くなりましたが過ごし易い一月だったように思います。11月に入り日ごとに寒さが増しているのを感じます。高校では前学期期末考査を10月6日~9日まで実施し、中学校では2学期中間考査を10月8日と9日に実施しました。1021日には高校の生徒会役員選挙があり、12人の役員候補の立ち会い演説が行われました。立ち会い演説では、その多くが生徒自ら主体的に運営する生徒会活動の実現を訴え、学校を活性化したいと熱く語っていました。1031日には、コロナ禍での制限の中、高校生は文化行事として授業での取組やクラス、有志、部活動での企画を披露し、中学生は、「つなぐ」をテーマに文化発表会として日ごろの授業の成果、クラス企画等、披露してくれ、高校・中学ともに盛り上げてもらいました。中学校のテーマ「つなぐ」には、「文徳中全員が一つにつながれるようにしたい。そして、一人一人の個性を発揮できる機会にし、みんなの個性もつなげていきたい」との思いが込められており、展示会場のウェルカムボードの虹と人型のメッセージカードも同様に「心をつなぐ」メッセージ性の高いものとなっており、中学生の思いを体現する発表会でした。

 また、11月に入り、全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、大変心配される状況となっています。私たちには、これからのインフルエンザの流行とともに、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感が一層つきまとってきます。今後も、私たちにできる努力、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」をしっかり実践する必要があります。体操の金メダリストの内村航平選手は、国際大会を前に新型コロナウィルスの偽陽性と判断され、本人の出場だけでなく、大会の開催そのものが危ぶまれた経験から、何事も「できない」じゃなく、「どうやったらできるか」を考え、厳しい感染症対策も当たり前と思う気持ちが大切であると言っています。

 さて、NHKで放送されている連続テレビ小説「エール」を知っているでしょうか。番組の紹介には、「作曲家である古関裕而氏をモデルとしたもので、作品名の『エール』は『応援』の意で、東日本大震災から10年の節目を目前に『福島を応援したい』との思いを込めて企画され、福島出身の主人公を模索する中で福島の偉人であり多くの応援歌を作った作曲家の古関裕而に着目したもの」と書かれていました。古関裕而氏は、戦災孤児の救済がテーマのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の主題歌「とんがり帽子」、長崎だけでなく日本全体に向けた壮大な鎮魂歌「長崎の鐘」、高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」、戦後日本の発展の象徴でもある1964年開催の東京オリンピックの開会式で鳴り響いた「オリンピック・マーチ」など数多く創作し、日本の復興を音楽で支えた人です。高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」は、今も新鮮で大会の度に流れており、感動をもらっています。本来、この「エール」は9月末で放送が終了する予定でしたが、コロナ禍にあって収録ができない時期があり、11月28日まで放送されることになっています。昭和という激動の時代に人々の心に寄り添い、戦時歌謡を作曲したことへの苦悩から戦後の混乱を乗り越え復興に向かう日本を勇気づける歌の創作へと駆り立てられていく主人公とそれを取り巻く人々の姿が描かれています。この11月の終盤は、日本の戦後の復興を支えた応援歌がその背景とともに描かれており、今のコロナ禍と重なって「エール」をもらっているように感じます。このドラマでは、平和の大切さ、困難から立ち上る時の心の支え、人と人のつながり、家族愛など、多くのことを考えさせられます。録画等してのぞいてみてください。このコロナ禍にあって、がんばっている皆さんに元気を与えてくれるものと思います。