学校法人 文徳学園 文徳高等学校・文徳中学校

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2025年09月の記事

2025年9月2日

生徒および保護者の方々へ 校長室から9

2025.9.1

 9月1日は、関東大震災が発生した日(1923年9月1日午前11時58分に発生)であり「防災の日」と定められています。国は、8月30日から9月5日までを防災週間として各種訓練を実施し防災意識の高揚を図っています。マグニチュード7クラスの首都直下地震が今後30年以内に発生する確率は約70%、マグニチュード8~9クラスの南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率は約80%といわれています。巨大地震では、建物の倒壊や火災だけでなく、大規模な土砂崩れ、津波の発生、ダムや堤防の決壊による河川の氾濫なども想定されます。地震によって様々な災害が複合的に発生する恐れがあります。「自分の身を自分で守る」ためには、基盤となる知識や技能を習得し、災害を自分事としてとらえることが重要だと言われます。自分事とは、「災難を自分にも降りかかってくるものと受け止め、自分はいかに備えるかを考えること。発生時には、状況を見て身の守り方を判断し、安全に行動できるようになること」と言われます。地震そのものを防ぐことはできませんが、自分の身を守るための「物の備え」「心構え」、そしてそれを支える「人のつながり」を大切にする備えはできます。災害時には、よく「自助・共助・公助」と言われますが、災害時の人命救助や支援の役割を分担する考え方です。自助は「自分自身の命は自分で守る」というもので、家庭での備蓄や避難行動を指します。共助は「地域で助け合う」ことで、自主防災組織の活動や近隣住民との協力などを意味します。公助は「行政による救助」を指し、消防や警察など公的機関からの支援活動です。大規模災害時、公助には限界があるため、自助と共助の役割が特に重要視されています。

 本校では、11月12日に防災避難訓練を実施予定です。台風、大雨、地震等、自然災害への危機意識を持ち、災害への備えをしっかりと取っていきたいと思います。

 また、新型コロナウイルスの感染者数も全国的に増加が続いています。特に九州南部では1定点当たりの感染者数が多く、本県も全国平均を超えています。今流行している変異株は、ニンバスというのが多くなっていると言われています。本校では、教室の換気、手洗い・手指消毒、体調・場面に応じたマスクの着用、十分な睡眠と食事等体調管理を呼びかけています。これも、自分事として捉えて行動したいものです。

 さて、今、NHKの朝の連続ドラマは、アンパンマンの作者 やなせたかしさんと暢さん夫妻をモデルとした「あんぱん」が放送されています。熊本でもやなせたかし展が開催されていました。この8月に高知県香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムを訪ねましたが多くの来場者でにぎわっていました。ドラマはいよいよアンパンマンが登場しそうな佳境に入っています。ドラマでは、やなせたかしさんの戦争体験等による「逆転しない正義」「なんのために生まれて なにをして生きるのか」ということが中心のテーマになっていると感じています。やなせさんが作詞された童謡「手のひらを太陽に」も登場しました。やなせさんは仕事からの引退を決意したころ、東日本大震災が起き、被災地等で「アンパンマンのマーチ」のリクエストが放送局に寄せられ、多くの人を勇気づけたことを知り、復興のために「自分のできること」と考え、活動を再開されたと紹介されていました。著書の中(93歳の時)で「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という問いに対して、「長い間、ずいぶん悩んできたけど、やはり子どもたちのためにお話を書いたり、絵本を描いたりするのが自分の天職だなと思うようになりました」「人生にムダなことは、何一つありません。全部、自分に役立つ、そして、やり続けることが大事。」と書いておられます。

 やなせさんは「100年後へのメッセージ 100年後の世界では、漫画的精神で、みんながなかよく、そして面白く、楽しく暮らせる世界になってほしい。希望を込めて、そう考えています」と記されています。今月末までの放送です。ぜひ観てみてください。こころが温かくなると思います。