学校法人 文徳学園 文徳高等学校・文徳中学校

blog 校長室より

文徳学園についてトップページ » 校長あいさつ » blog 校長室より

2023年1月7日

生徒および保護者の方々へ 校長室から1月

2023.1.7

 新年明けましておめでとうございます。1月7日に高校・中学ともに始業式を行いました。新型コロナウイルス感染拡大第8波の中にあり、2学期の終業式同様高校はリモートでの始業式となりました。大学入学共通テストを目前に控え寒い日が続いています。例年のこととはいえ、コロナ禍でもあり受験環境の厳しさが増しているように感じます。

 学校の正門前の花壇には、本年度も中学生が同窓会の支援を受けて植えたビオラが寒さに耐え、きれいな花を咲かせています。同時にチューリップ等の球根も植えており、この寒さの中、少しずつ芽を膨らませています。しっかりと世話をし、春に立派な花を咲かせてくれるのを楽しみにしています。また、12月10日には、文徳会の現役員のみなさんとOB・OG役員のみなさんとで正面玄関に手作りの立派な門松を設置していただきました。お正月を祝う素晴らしいものを作っていただきました。本当にありがたいことであると思っています。

 いよいよ、新たな年、令和5年・2023年が始まりました。三学期は、短い学期ですが、1月14日・15日には、大学入学共通テストがあり、高校3年生の仕上げの大学入試等が最大の山場を迎えます。1月15日には、文徳中学校入試Ⅱ期、1月18日には文徳高校専願生・奨学生入試、2月14日には同じく一般生入試、2月20日からは学年末考査、2月27日には卒業式予行、2月28日には卒業式と、対外的にも大きな行事が続きます。1月末から2月初めには、高校1・2年生の修学旅行があります。計画的に過ごさないと行事に追われ、あっという間に過ぎてしまいます。

 1月3日に文徳高校出身で西武ライオンズに入団される児玉さんと読売巨人軍に入団される萩尾さんのプロ野球入団激励会がありました。お二人に、後輩である文徳生に一言ことばをいただきたいとお話ししたところ、児玉さんは、「夢は、諦めず、努力を続ければ必ず叶う」と伝えてくださいと話され、萩尾さんは「笑う門には福来たる」という言葉を挙げて、「大学前半、試合のビデオを見るといつも険しい顔をしていた。野球を楽しみ、笑顔で過ごすよう心がけ努力したら、野球も上向き、好成績を収めることができた」と話していただきました。お二人とも自身の経験から、うまくいかない時、諦めず努力を続け、野球の本来の楽しさを見つめ、進んでこられたのだと強く感じました。大切なことは、うまくいかないことも多いですが諦めず、笑顔で、前向きに、努力を続けるということだと思いました。

 新型コロナウイルスの感染拡大は3年近く続いています。日本では第8波が猛威を振るっており、報道によれば、この一週間の感染者数は世界一だそうです。日本では、感染防止と社会経済活動の両立をいかに図るかが依然として課題となっています。本県のリスクレベルも去る12月28日には、レベル3「医療負荷増大期」に引き上げられています。コロナ禍にあって「日常の当たり前の生活」ができることのありがたさと実現のための努力の大切さをつくづく感じています。努力なしには、日常の当たり前、学校行事や入学試験等は実現できません。この3年ほどのコロナ禍での経験を教訓として、私たち一人一人が「今何を為すべきか」をしっかりと考え実践していく必要があります。ただ、努力しても感染する場合もあります。そのときはしっかり休み、周囲の人は、一日も早い回復を温かく見守る学校でありたいと思っています。

 この1月14日・15日には、大学入学共通テストがあり、1月18日には高校の入学試験も実施します。最後の仕上げに取り組む高校3年生、中学3年生に心からエールを送ります。自分を信じ、先生方を信じ、支えてくださる家族に感謝し、志望を堅持してやりきってください。皆さんにとって2023年が希望に満ちた年となるよう、みんなで本校建学の精神、生活信条を大切にして勇気を持って、一つ一つ取組を積み重ね、「諦めず、笑顔で」努力を続けましょう。まずは、凡事徹底です。

2022年12月5日

生徒および保護者の方々へ 校長室から12月

 2022.12.5

 今年も残すところ一月足らずとなりました。慌ただしい、師走です。気象庁は11月10日、「ラニーニャ現象が来年1月まで続く可能性が高く、その後、終息に向かう見込みであり、春には平常の状態となる可能性が高い」と発表しています。この冬も前年に続き、ラニーニャ現象の影響で寒い冬になりそうです。現在、FIFAワールドカップカタール2022が開催されており、日本代表SAMURAI BLUE が1次リーグで強豪ドイツとスペインを逆転で破り、グループE1位で予選リーグを突破し、決勝トーナメント進出が決まりました。ドイツ戦後は、日本代表やサポーターの競技場での清掃活動も話題になり、賞賛されました。決勝トーナメントの戦いが楽しみです。

 また、新型コロナウイルス感染症は、熊本でも連日感染者の増加が報道されており、感染の第8波に入っています。感染者数が第7波の9月から2か月も立たず、再び増加に転じていますが、第7波で感染者が多かったところは、今回、感染者の増加が緩やかになっている傾向があるとの報道もあります。日本では、感染防止と社会経済活動の両立をいかに図っていくか模索が続いており、日本への入国者数の上限撤廃など進められています。マスクの着用についても海外ではほとんどつけられていない国もあります。新型コロナウイルスに対するワクチンの開発も進み、オミクロン株対応2価ワクチンの接種も始まりました。日本の治療薬も承認されました。私たちは、正しい情報を得て、必要な対策を自ら考えて適切に対応していく必要があります。今年の冬は、インフルエンザの流行も心配されおり、予防のためのワクチン接種や日ごろの手洗い、うがい、換気等、更にしっかり取り組んで行きたいものです。

  さて、121日に、恒例の今年話題になった言葉に贈られる「『現代用語の基礎知識選』2022ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。そのトップテン(五十音順)には、「キーウ」「きつねダンス」「国葬儀」「宗教2世」「知らんけど」「スマホショルダー」「てまえどり」「村神様」「Yakult(ヤクルト)1000」「悪い円安」が入り、年間大賞に「村神様」が選ばれました。この「村神様」という言葉は、NPBにおいて史上最年少で打率、打点、ホームランの三冠を取った東京ヤクルトスワローズ所属 村上宗隆選手の活躍を称えた言葉です。村上選手は、本県出身プロ5年目の22歳で多くの重圧を乗り越え、10月3日、今期最終戦の最終打席で王貞治さんの記録を超える日本選手シーズン最多の56本ホームランを放ちました。村上選手の活躍に元気をもらい、いつも話される周囲の方への感謝のことばに素晴らしい人柄・人格を感じています。来年の活躍に期待が膨らみます。

 トップテンの「スマホショルダー」と「てまえどり」は、流行語と言われるのに知らず何だろうと調べてみました。「スマホショルダー」は、今のスマートフォンが手放せない時代を反映しており、幅広い世代で流行している「スマートフォンを肩から斜め掛けできるアイテム」のことだそうです。また、「てまえどり」は、まさに手前にあるものからとっていこうと言う意味で、生活協同組合コープこうべで今から6年前に、販売期限切れによる廃棄を知った組合員が何か自分にできることはないかと考えて、「すぐに食べるのなら、棚の手前にある商品から積極的に選びましょう」と呼びかけたのがきっかけだったそうです。食品ロス問題に一石を投じています。受賞式では、「受賞をきっかけに、『てまえどり』に共感いただける全国の消費者の皆さんと一緒に食品ロスの削減に取り組んでいきたい」とコメントがありました。そして、選考委員特別賞に「青春って、すごく密なので」が入りました。この言葉は、この夏の第104回全国高等学校野球選手権大会で東北勢初の優勝を果たした宮城県代表 仙台育英学園高等学校 須江監督の多くの賞賛を浴びた優勝インタビューでの言葉です。「青春って、すごく密なので、でもそういうことは全部『だめだ、だめだ』と言われて…どこかで止まってしまうような苦しいなかで、本当に諦めないでやってくれた。…全国の高校生のみんなが、本当によくやってくれた。…本当にすべての高校生の努力の賜物…全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います」このインタビューは、何回聞いても心が温かくなり、元気と勇気が湧いてきます。

 withコロナ時代の到来と言われており、「今できることを考え、全力でやり抜く」これが大切だと思っています。来る2023年が希望に満ちた佳い年となるようみんなで全力でやり抜きましょう。

2022年11月9日

生徒および保護者の方々へ 校長室から11月

2022.11.7

 

 気候も安定し、すっかり秋らしくなってきました。朝夕はずいぶんと冷え込み、山にも紅葉が見られるようになり、秋の深まりを感じています。

 11月に入り、再び全国瞬時警報システム(Jアラート)による弾道ミサイル情報が配信されました。日本周辺でも平和の維持に対する緊張感が高まっているのを強く感じます。

 新型コロナウイルスの感染状況は、10月7日以来、熊本県のリスクレベル「レベル1」が維持されておりずいぶんと落ち着いてきたと思っていましたが、最近は、本県も微増傾向にあります。日本だけでなく世界中で、感染防止と社会経済活動の両立をどのように図っていくのか、大きな課題となっていますが、10月11日からは国外からの入国者の上限が撤廃され、政府が実施する全国を対象とした観光需要喚起策である全国旅行支援も開始されました。次の「第8波」の到来を防ぐため、従来のワクチンに替わってオミクロン株対応2価ワクチンの接種も始まっています。最終の接種から3か月以上経過した方が接種できるようになりました。インフルエンザの流行も心配されており、10月から予防接種が始まっています。今後も油断なく、一人一人の毎日の健康観察、感染防止のために求められている「新しい生活様式」の実践等、徹底することが大切です。自分自身に必要な対策を自ら考えて実践していくことが求められています。

 さて、10月20日には、NPBのドラフト会議があり、本校出身の萩尾さんと児玉さんの二人が巨人と西武から指名を受けました。お二人のこれまでの努力が評価されたものでり、本当にうれしいニュースとなりました。在校生・職員ともに元気と希望をいただいたように思います。

 10月30日には、二学期の一大行事である文化祭を終日開催しました。ステージ発表は、1・2年生が体育館、3年生が各教室からリモートで参加して行いました。午後は時間を区切って、3年生、2年生、1年生が展示やクラス企画を見学しました。最後は、再びダンス同好会のステージ発表となり、1・2年生が体育館、3年生が各教室からリモートで参加し大変盛り上がりました。中学生は、崇城大学のSoLAホールを借りて実施し、個人、グループ、クラスの発表など、内容も盛りだくさんで生徒一人一人がリーダーシップを発揮して取り組んでいました。コロナ禍にありましたが生徒会・文化広報委員会を中心に企画を練り、文徳生が一丸となって終日開催を実現してくれました。生徒会、文化広報員会、各学年、クラス、部活動等、積極的に取り組んでもらい心から感謝しています。

 11月2日には、芸術鑑賞会を開催し、「三遊亭圓歌の『愉快な落語会』」と題して落語を鑑賞しました。コロナ禍後、初めて、高校生・中学生全員が本校体育館に集まって、感染防止のため間隔を取った椅子席で林家けい木さんの落語解説・落語、鏡味味千代さんの太神楽曲芸、三遊亭圓歌さんの落語を楽しみ、体育館が大きな笑いに包まれ、90分間の予定でしたがあっという間に100分が過ぎていました。

 部活動も大会が続いており、男子バドミントン部と男子剣道部は団体で準優勝となり九州大会に出場します。女子ソフトボール部は、選抜大会県予選で優勝し、三月の鹿児島県で開催されます全国選抜に出場します。男子ソフトテニス部は団体で準優勝し、全国選抜予選を兼ねた九州大会に出場します。中学生は、10月19日の熊本市中体連駅伝大会に出場し暑い中しっかりと襷をつないで男女とも完走しました。各部の活躍が続いており大変うれしく思っていますが、生徒諸君がそれぞれの競技を始めたときの思いを大切にし、次の大会も楽しんで挑んでもらえると更にうれしく思います。生徒諸君の笑顔あふれる活躍が続くことを願っています。11月も過ぎると大会も一段落し、次の春の大会に向けての心身の鍛練の時期となります。勉強も部活動もしっかりと蓄える時期であり、この時期の過ごし方次第で来春からの伸びが決まってきます。3年生は、本格的な受験の時期となりました。コロナに負けず、悔いなくやりきってほしいと思っています。生徒諸君の奮闘を応援しています。

2022年10月12日

生徒および保護者の方々へ 校長室より10月

2022.10.12

  9月は台風接近の月となりました。9月14日に発生した台風14号は、最大瞬間風速が70m/sほどの勢力を保ち、九州・熊本を直撃するような予報が出ていましたので大変心配しましたが、9月18日に鹿児島に上陸し予想より進路が東にわずかにそれ本県では大きな被害となりませんでした。ただ、九州山脈の東側では大雨となり大きな被害が出ています。本校では体育館への登校坂と2号館裏の大きな松の枝が折れた程度で校舎等には大きな被害がありませんでした。台風通過後は台風一過となり秋の到来を思わせる気候となりました。10月に入り、一層気温も下がり秋本番となっています。北海道では、初霜、初氷の報道もあっています。

 9月16日には、地震と火災を想定した防災避難訓練を行いました。昨年同様、コロナ禍にあり、全員で一斉に避難することは実施できませんでしたが、一斉放送による地震発生時の初期対応を各クラスで行い、避難時の心構えと、避難経路について確認をしました。最近は、台風の発生も少なくなっていますが、今後も大雨・地震等、自然災害への危機意識を持ち、災害への備えをしっかりと取っていきたいと思います。10月4日には、全国瞬時警報システム(Jアラート)による弾道ミサイル情報が配信されました。日本周辺でも平和の維持に対する緊張感が高まっているのを強く感じます。

 コロナ禍にありますが、10月7日には、熊本県リスクレベルがレベル1に引き下げられました。新型コロナウイルスの「第7波」もようやく収束の兆しが見えてきました。日本だけでなく世界中で、感染防止と社会経済活動の両立をどのように図っていくのか、大きな課題となっていますが、10月11日からは国外からの入国者の上限が撤廃され、政府が実施する全国を対象とした観光需要喚起策である全国旅行支援も開始されました。次の「第8波」の到来を防ぐため、従来のワクチンに替わってオミクロン株対応2価ワクチンの接種も始まっています。今後の変異株に対しても有効である可能性がより高いと期待されており、オミクロン株に対して従来型ワクチンを上回る重症化予防効果があるとともに、感染予防効果や発症予防効果も期待されています。接種対象者は、初回接種(1・2回目接種)が完了した人で、モデルナのワクチンは18歳以上、ファイザーのワクチンは12歳以上で、最終の接種から5か月以上経過した方(3~5回目接種の方)となっています。本県でも10月12日から令和5年1月末までグランメッセ熊本で集団接種が開始されます。インフルエンザの流行も心配されており、こちらも10月から予防接種が始まっており、今後流行が予想される感染症への備えをしっかりと取っていく必要があります。今後も油断なく、一人一人の毎日の健康観察、感染防止のために求められている「新しい生活様式」の実践等、徹底することが大切です。マスクの着用等話題になっていますが、最新の科学的知見に基づく対応となることが重要であり、自分自身に必要な対策を自ら考えて実践していくことが求められています。

 さて、10月に入り気候もよくなり部活動の大会も本格化しています。先日は、硬式野球部が熊本県大会で準優勝となりました。10月22日から沖縄県で開催されます春の全国選抜大会の選考を兼ねた九州地区大会に出場します。空手道部は、女子団体組手(5人制)と女子個人形で優勝し全国選抜大会の出場権を得ています。男子団体組手(3人制)優勝、女子個人組手も各階級で優勝や2位に入り九州大会の出場権を得たほか、多くが上位入賞しています。硬式テニスの男子団体も3位となり九州大会の出場権を得ています。各部の活躍は大変うれしいものですが、生徒諸君がそれぞれの競技を始めたときの思いを大切にし、次の大会も楽しんで挑んでもらえると更にうれしく思います。生徒諸君の笑顔あふれる活躍を願っています。学校行事では、10月12日に高校のスポーツ大会(クラスマッチ)を県立総合体育館、崇城大学体育館、本校体育館と、学年ごとに会場を変えて実施しました。30日には、文化祭を実施します。生徒会が中心となって感染防止しに努めながら、終日の開催をめざして計画を進めています。文徳生が一丸となって成功に向け取り組んでくれることを期待しています。

2022年9月1日

生徒および保護者の方々へ 校長室より9月

2022.9.1

 二学期が始まり10日程が過ぎました。夕暮れが少しずつ早くなっており、先週あたりから朝夕はずいぶんと過ごしやすくなっています。日本の南では、台風11号が発生し、西へ移動して沖縄に接近しています。予報円が大きく定かではありませんが、沖縄の南で停滞後、北に進路を変え九州に接近しそうな予報となっています。今年のこれまでの台風とは違い、非常に風が強く心配されています。最大瞬間風速が70m/sなどの報道がありました。9月1日は、1923年に関東大震災が発生した日であるとともに、暦の上では二百十日に当たり、台風シーズンを迎える時期でもあり、防災に対する心構えを育成する目的で「防災の日」となっています。台風・大雨・地震等、自然災害への危機意識を持ち、災害への備えをしっかりと取っていきたいと思います。

 また、新型コロナウイルスの「第7波」が続いており、収束の兆しが見えない状況となっています。本県では、8月2日に「熊本BA.5対策強化宣言」が発令されましたが、8月17日には新規感染者数が5000人を超え、過去最高を更新しました。今は、私たち一人一人が自分の命、周囲の人の命の大切さを自覚し、主体的に判断し行動するときであると思っています。

 この二学期も、感染防止のため「密閉・密集・密接」の3密を避け、部屋の換気、マスクの着用、手洗い・手指の消毒、一人一人の毎日の健康観察など、実践し徹底することが大切です。いろいろと情報が錯綜していますが、「科学的根拠は何か、何が真実か」などしっかりと考え、判断し、対処していく必要があります。今の状況では、誰もが感染する可能性があります。感染した人たちへの思いやりの気持ちを持ち、早く治るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えるような優しい学校でありたいと思っています。私たちは、多くの人に支えられています。感謝の気持ちを忘れず、一人一人の自覚ある努力が日常の当たり前を実現し、授業、部活動、学校行事などを当たり前にすることができるのです。

 さて、先日、「行動経済学」という分野の専門家の話のなかで、「ナッジ(nudge)」という言葉が紹介されていました。ナッジというのは、「行動科学の知見から、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチのこと。多額の経済的インセンティブや罰則といった手段を用いるのではなく、人が意思決定する際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促すのが特徴」とありました。英語でナッジ(nudge)は「ひじで小突く」「そっと押して動かす」という意味があり、行動変容をそっと促すというような意味で使用されています。このナッジの活用事例はたくさんありますが、フランス、パリ市庁内の道路には、コロナ禍にあって、ソーシャルディスタンスを促すための波とカモメをモチーフにした涼しげなストリートアートがペイントされているそうです。このストリートアートは、「Mairie de Paris」と名付けられており、1メートルごとにペイントされているカモメの模様は、大人も子どもも思わずそこに立ちたくなりそうなデザインになっており、これが、距離感に迷うことなく安全なソーシャルディスタンスを実現する助けになっているそうです。人々の不安やストレスを少しでも和らげながら、心地よくソーシャルディスタンスを守り続けることを可能にする、ユニークなアイデアとして紹介されていました。私たちの身近なところにも、このような「ナッジ」があることに気づいているでしょうか。身の回りのナッジを探してみましょう。