学校法人 文徳学園 文徳高等学校・文徳中学校

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2023年12月6日

生徒および保護者の方々へ 校長室から12月

2023.12.5

  今年も残すところ一月足らずとなり、慌ただしい、師走がやってきました。高校は後学期中間考査(3年生は学年末考査)、中学校は2学期期末考査が終了しました。11月末には、愛媛などの西日本でダムの貯水率がゼロのところもあり、水不足が心配との報道があっていました。この水不足には、多くの雨をもたらす台風の発生数が年平均で22個程度なのが今年は16個と少なく、日本に上陸した台風も8月の台風7号のみであり、秋雨前線による雨も少なかったことが影響しているといわれています。地球規模で見てみると干ばつがあったり、大雨の地域があったりと異常気象による自然災害が偏在しています。いま(2023年11月30日~同年12月12日)丁度、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28:Conference of the Parties)がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されています。会議では、気候変動に関するさまざまなテーマで世界の脱炭素化に向けて議論が進められています。地球規模での気候変動対策が求められており、日本は気候変動対策の長期目標である「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量の差し引きをゼロにすること)」の実現に向け、温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電などのクリーンエネルギーへと転換し、経済社会システム全体を変革しようとするGX(グリーントランスフォーメーション)の推進を宣言しています。さらに、環境問題とともに、世界の平和は大きな問題ですが、連日のように報道されるガザ地区でのイスラエルとハマスの軍事衝突による街の破壊と犠牲者の様子が凄惨で心が痛みます。一日も早く紛争が収まり平穏な日々が訪れるのを願うばかりです。

 また、新型コロナウイルス感染症は、9月をピークに減少し、現在は落ち着いた状況となっていますが、季節性インフルエンザが11月から猛威を振るっており、11月末には熊本でも4年ぶりに警戒レベルを超えました。インフルエンザの治療薬等、薬の不足も話題となっています。これから更に流行の季節となり、新型コロナとともに感染防止に努める必要があります。新型コロナ、季節性インフルエンザともに感染予防のためワクチン接種が推奨されています。日々の生活においては、場面に応じた感染対策を心掛け、手洗い、うがい、換気等、更にしっかり取り組んでゆきたいものです。

  さて、121日に、恒例の今年話題になった言葉に贈られる「『現代用語の基礎知識選』2023ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。個人的には、大谷翔平選手の「憧れるのはやめましょう」ではないかと思っていましたが、今年の年間大賞は「A..E」が選ばれました。この「A...」という言葉は、わかりますか。「アレ」です。野球の日本シリーズで38年ぶり2度目の優勝となったプロ野球・阪神タイガースの今季のスローガンです。「アレ」はなんだろうと当初話題となりましたが、「アレ」=「セ・リーグ優勝」を意味していました。優勝を選手が過度に意識し、プレッシャーとならないよう岡田彰布監督が「アレ」と表現し使った言葉で、選手やファンのみならず全国的にも浸透しました。「アレ」には、「もう少しで優勝できるのに負けてしまう」「優勝まで『もう少し』」だという意味・期待も込められていたと紹介されていました。阪神タイガースは、セ・リーグ優勝だけでなく、日本シリーズでも優勝し「アレのアレ」を達成しました。セ・リーグ優勝の阪神甲子園球場に本拠地を置く阪神タイガースとパ・リーグ優勝の京セラドーム大阪に本拠地を置くオリックス・バファローズが日本シリーズで対戦することになり大阪は大変盛り上がりました。岡田監督は、表彰スピーチで「関西ではアレという言葉を毎日マスコミで発してもらい、想像以上の反響があった。スポーツ界も今年はすごく盛り上がったので、少しは貢献できよかった」と振り返っておられました。この優勝の背景として、岡田監督の徹底的に守備を強化した「守り勝つ野球」と攻撃ではフォアボールでの出塁の価値を高め「ボール球の見極めの浸透」が挙げられています。岡田監督の目指す堅実な野球が優勝をつかむ礎となったといわれています。何事においても事をなすとき、派手ではないが、基本に立ち返った堅実な取り組みが成果を生むことを示しているように思います。

 3年生は、いよいよ終盤となり進路志望を実現する仕上げの時となりました。これからの日々を基本に立ち返った堅実な取り組みで第一志望達成に向けやり切ってください。

文徳生みんなで、各自の良さ・得意を発揮して来る2024年が希望に満ちた佳い年となるよう全力でやり抜きましょう。

2023年11月9日

生徒および保護者の方々へ 校長室から11月

 2023.11.7

  朝夕はめっきり気温も下がり、木々も色づき始め、秋の深まりとともに冬へ一歩一歩近づいているのを感じています。

 新型コロナウイルスの感染状況は、9月をピークに減少傾向が続き、ずいぶんと落ち着いてきました。インフルエンザの流行は冬というこれまでの考えを一変させるように夏から増加傾向が続いています。11月に入り本校でも増加の兆しがあります。この冬、さらなるインフルエンザの流行も心配され、新型コロナウイルスとともにワクチン接種を考えていただき、備えをしておくことも大切だと思っています。これから3年生の上級学校の入学試験、1年生の修学旅行など重要な行事等を控えています。今後も油断なく、健康管理をしっかり行い、場面場面に応じて適切に必要な感染防止対策を実践していくことが求められています。

 さて、11月1日には、芸術鑑賞を熊本市民会館シアーズホーム夢ホールで現地集合・現地解散で実施しました。演目は、サムライ・ロック・オーケストラ「マッスル カーニバル」というものでした。集合もスムーズで、大盛況であったと聞いています。11月2日と3日には、二学期の一大行事である文化祭を開催しました。2日は、校内での開催でしたが3日には、4年ぶりに一般公開で実施しました。初日は出張で見れませんでしたが中高合同で開会式を行い、中学生と高校生のステージ発表を全員で鑑賞し大変盛り上がったと聞いています。2日目の4年ぶりの一般公開はその様子を体感しました。10時30分からの公開でしたが多くの皆さんにご来場いただき盛り上げていただきました。文徳会(保護者会)の皆様には、おにぎり、肉まん、フランクフルト、パンなどを販売いただき、淵徳会(文徳高校同窓会)の皆様には、お団子等を販売いただき文化祭を支えていただきました。心から感謝申し上げます。天候にも恵まれ、憩いの広場でのステージ発表も大盛況でした。2年生各クラスは模擬店を出し、理工科の焼きそば、相撲部のちゃんこ鍋も4年ぶりに復活しました。多くの行列ができるほど盛況でした。私にとって初めての光景で盛況ぶりに大変感動しました。4年間の空白があり、在校生に全く経験者がいない中、生徒会を中心に一からアイディアを出し、準備を進めて実施にこぎつけたものです。生徒会・文化広報委員会を中心に企画を練り、文徳生が一丸となって一般公開を含めた2日間の文化祭を実現してくれました。生徒会、文化広報委員会、各学年、クラス、部活動等、積極的に取り組んでもらい心から感謝しています。本番では、生徒諸君はもとより、文徳会(保護者会)の皆様、淵徳会(文徳高校同窓会)の皆様、本校教職員にとって、コロナ禍での苦しい思いを払拭する感慨深いものになったのではないかと思っています。

 部活動も新人大会が続いており、女子空手道部は団体組手で準優勝、女子ソフトボール部は選抜大会県予選で準優勝、バドミントン男子団体で3位、陸上・駅伝部は、女子駅伝で5位に入賞しています。個人戦では、ソフトテニス男子個人戦で優勝、3位、4位、5位、女子個人戦で5位、空手道男子個人組手で2位、女子個人形で優勝、2位、女子個人組手で5階級中3階級で優勝、剣道男子個人で6位に入賞し、九州大会に出場します。中学生は、10月18日の熊本市中体連駅伝大会に男子が出場し、暑く厳しい環境の中しっかりと襷をつないで完走しました。各部の活躍が続いており大変うれしく思っています。生徒諸君の笑顔あふれる活躍がこれからも続くことを願っています。11月も過ぎると大会も一段落し、次の春の大会に向けての心身の鍛練の時期となります。勉強も部活動もしっかりと蓄える時期です。この時期の過ごし方次第で来春からの伸びが決まってきます。3年生は、本格的な受験の時期となりました。勉強と健康管理をしっかりと行い、悔いなくやりきってほしいと思っています。生徒諸君の奮闘を応援しています。

2023年10月5日

生徒および保護者の方々へ 校長室から10月

2023.10.4

 10月に入り、朝夕は気温も下がり過ごしやすい気候となりました。田んぼのイネも稲穂がたれ実りの秋本番となっています。気象庁は10月2日、9月の日本の平均気温が平年比プラス2.66度となり、1898年の統計開始以降で最も高かったと発表しました。7、8月に続き3か月連続で過去最高となっており暑い日が続きました。心配していました台風の発生については、9月は2個で過去最少だったとの報道もあっています。9月30日に発生した台風14号は、沖縄の南を西へ進んでいます。10月もまだ台風発生シーズンとなっており、もうしばらく注意が必要だと思っています。
 また、9月は、新型コロナとインフルエンザの同時流行が叫ばれ、本校でも9月の前半に感染者の増加がみられ心配しましたが、県下の状況と同様に収束の兆しが見えてきました。新型コロナワクチン接種については、「令和5年秋開始接種」の期間中(令和5年9月20日~令和6年3月31日)、生後6か月以上の初回接種を完了したすべての希望する人は、対象年齢によって開始時期が異なっていますがオミクロン株XBB.1.5対応1価のワクチンを一人1回、接種ができます。初回接種は9月20日以降も引き続き接種が受けられるそうです。新型コロナワクチン接種は無料、インフルエンザワクチンは有料ですが、今後、同時流行も予想され、感染症への備えをしっかりと取っていく必要があります。
 さて、9月30日(土)の午後から文徳会のスポーツ大会が開催されました。保護者の方と教職員合わせて150人を超える参加者がありました。5年ぶりの開催で心配しましたが、参加いただいた皆さんは、ミニバレーで汗を流し、各チーム大変な盛り上がりで、楽しく充実した時間となり、スポーツ大会の所期の目的を果たせたのではないかと思っています。1チーム当たり4~5試合を行うことができました。大会までの準備と当日の運営を担っていただきました文徳会保体委員の皆様、参加いただきました文徳会の皆様に心から感謝申し上げます。次年度の開催を楽しみにしています。
 9月29日には高校の前学期期末考査、中学校の2学期中間考査が終わりました。10月2日から高校は後学期が始まりました。学校行事では、10月7日に中学校のスポーツフェスタ2023を崇城大学ソフトボール球場で、10月11日に高校のスポーツ大会(クラスマッチ)を学年ごとに県立総合体育館、崇城大学体育館、本校体育館と会場を変えて実施します。10月18日には高校の2学年保護者会(午後)、10月25日には高校の1学年保護者会(午後)を開催予定です。11月1日には、芸術鑑賞を熊本市民会館で開催し、11月2日から3日(文化の日)に本校の文化祭を開催し、11月3日には5年ぶりに一般公開を予定しています。生徒会を中心にクラス企画、部活動企画、委員会企画、有志企画等の準備を進めています。各部活動の新人戦が始まっており、10月1日には弓道部が女子団体で準優勝し、11月の九州大会と翌年3月の西日本大会出場を決めています。大会も本格的に始まり生徒諸君の活躍を楽しみにしているところです。部活動、学校行事ともに文徳生が一丸となって最後までやり抜き、充実した時間となることを願っています。
 最後に、10月2日に今年のノーベル生理学・医学賞が発表され、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を抑えるのにmRNAワクチン開発で貢献したペンシルベニア大学のカタリン・カリコ氏と同じくドリュー・ワイスマン氏が受賞されました。基礎研究が実り、mRNAワクチン開発という道を拓き、今後、ガンの治療などへの応用が期待されています。ワイスマン氏は、インタビューで「決して諦めずに取り組み続け、いまがあると思います」と話し、若い世代が科学を学ぶことの意味について問われると、「社会が前に進むためには科学が必要です。わたしたちは子どもや孫、すべての人たちに、科学こそが世界を進展させるものだと伝える必要がある」と強調されていたと報道があっていました。
 何事も諦めずに信念をもって取り組み続けることが道を拓くことになります。高校3年生は、就職試験が本格的に始まり、上級学校の入学試験も始まっています。第一志望への内定、合格を目指し、最後までしっかりやり切ってください。

2023年9月2日

生徒および保護者の方々へ 校長室から9月

 2023.9.1

  日本の南では、台風が11号・12号と次々と発生し、日本に近づいています。9月一杯は台風の襲来が心配される時期となります。9月1日は、関東大震災が発生した日であり「防災の日」と定められています。この時期は、台風のシーズンでもあり、防災意識の向上を目的に制定されています。関東大震災は、1923年(大正12年)9月1日の午前11時58分に発生し、今年は発生から100年の節目の年となります。M(マグニチュード)7.9と推定されている本震の震源は神奈川県西部であり、丁度昼食の準備で火を使っていた時間帯だったことも重なり大規模な火災となって被害を大きくしたといわれています。M7クラスの首都直下地震が今後30年以内に発生する確率は約70%といわれています。巨大地震では、建物の倒壊や火災だけでなく、大規模な土砂崩れ、津波の発生、ダムや堤防の決壊による河川のが氾濫なども想定されます。地震によって様々な災害が複合的に発生する恐れがあります。「自分の身を自分で守る」ためには、基盤となる知識や技能を習得し、災害を自分事としてとらえることが重要だと言われます。自分事とは、「災難を自分にも降りかかってくるものと受け止め、自分はいかに備えるかを考えること。発生時には、状況を見て身の守り方を判断し、安全に行動できるようになること」と言われます。災害時には、熊本地震の時の「動物園のライオンが逃げた」などように誤った情報が拡散する恐れもあります。私たちは、正しい情報を確認して行動することが大切です。地震そのものを防ぐことはできませんが、自分の身を守るための「物の備え」「心構え」、そしてそれを支える「人のつながり」を大切にする備えはできます。県のホームページにも大雨や台風などの自然災害から私たち自身を守るためのマイタイムライン(防災行動計画)の作成について紹介されています。上手に活用して日ごろから備えをしておきたいものです。本校でも9月13日に防災避難訓練を実施する予定です。台風、大雨、地震等、自然災害への危機意識を持ち、災害への備えをしっかりと取っていきたいと思います。

 また、新型コロナウイルスの新規感染者数は、本県では4週連続で前の週に比べて減少傾向にあると報道があっています。この時期、多くの学校で2学期が始まり人の動きが活発になりますので感染者数の動向を注視する必要があるともいわれています。今後も、油断なく、場面に応じた感染対策を取っていく必要があります。学校では、感染防止のため教室の換気、手洗い・手指の消毒に引き続き取り組みます。

 さて、昨年、「ナッジ(nudge)」という言葉を紹介しました。ナッジというのは、「行動科学の知見から、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチのこと。多額の経済的インセンティブや罰則といった手段を用いるのではなく、人が意思決定する際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促すのが特徴」とありました。英語でナッジ(nudge)は「ひじで小突く」「そっと押して動かす」という意味があり、行動変容をそっと促すというような意味で使用されています。このナッジの活用事例としてフランス、パリ市庁内の道路のコロナ禍でのソーシャルディスタンスを促すための波とカモメをモチーフにした涼しげな「Mairie de Paris」と名付けられたストリートアートを紹介しました。自然災害時の避難行動を促すメッセージにもこの「ナッジ」の考え方を取り入れ、人々がどんなメッセージを発すると避難行動が促進されるのか等も研究されているそうです。独立行政法人経済産業研究所の「豪雨災害時の早期避難促進ナッジ」(March 2020より)という報告書によれば「ナッジメッセージ」とありましたが、豪雨の際の早期避難を広く呼びかける場合は、「あなたが避難すると、人の命を救えます」というメッセージが効果的で現実的ではないかと紹介されていました。日ごろ聞いている避難の呼びかけにも「ナッジ」の考え方が取り入れられているのだと知りました。このような視点で身の回りのナッジを探してみるのも興味深いと思いました。

2023年8月18日

生徒および保護者の方々へ 校長室から8月

2023.8.17

 夏休みもいよいよ終わりを迎えますが、この夏休みには、高校は学校見学ツアーを毎日実施しており、多くの中学生や保護者の方に参加いただいています。7月23日には中学校のオープンスクールを開催し、文徳中の生徒が主体となって運営し、保護者の方にも手伝っていただき、授業体験や行事等の紹介、施設見学等を行いました。参加いただきました皆様、ご協力いただきました皆様に心から感謝いたします。本校のことを少しでもご理解いただきましたなら幸いです。

 部活動では、7月22日に硬式野球部が全国高校野球選手権県大会の準決勝を戦いました。6年ぶりの学校応援を行い、暑い中、生徒諸君、保護者の方、同窓会の方等、多くの皆さんに応援いただきました。残念ながら準決勝で敗れましたが最後まで力を尽くしてくれました。軟式野球部は、7月30日に全国大会をかけ南部九州大会に臨みましたが決勝戦で敗れ準優勝でした。空手道部は、九州大会少年女子個人組手で2位となっています。吹奏楽部は、7月26日の県吹奏楽コンクールで銀賞と審査員特別賞を受賞しています。8月に入り、1・2年生は部活動等、3年生は進路実現に向け課外や就職希望者の直前指導等に取り組んでいます。

 また、この8月には、2つの台風が続けて日本列島を襲いました。いずれも移動速度が遅く、各地で台風の影響が長く続きました。台風6号は九州に大雨を降らせ、続く台風7号は近畿から東海地方を中心に大雨を降らせ、甚大な被害をもたらしています。被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧復興を願っています。9月いっぱいは台風の襲来が心配され、気の抜けない日々が続きます。危機意識を持って自然災害への備えをしっかりと取っていきたいと思います。

 新型コロナウイルスの新規感染者数は、お盆前には5類移行後初めて前週と比較して減少したとの報道があっています。お盆は人の移動が活発となっていますので注視する必要がありますが、これまで大幅に増加していた地域ではより大きく減少している傾向があるように思います。私たちには、油断することなく、引き続き場面に応じた適切な対応が求められており、自覚をもって取り組んで行く必要があります。

 さて、8月6日に広島市の平和記念公園で令和5年平和記念式典が開催されました。78年前の8月6日に広島に原子爆弾が落とされ、その原爆で亡くなった方の慰霊と平和を祈る式として毎年開催されているものです。長崎では8月9日に毎年開催されています。今日は、広島の式の中でこども代表二人が述べた「平和への誓い」を紹介します。

…「平和への誓い」(広島市ホームページより)…『みなさんにとって「平和」とは何ですか。争いや戦争がないこと。差別をせず、違いを認め合うこと。悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること。身近なところにも、たくさんの平和があります。昭和20年(1945年)8月6日 午前8時15分。耳をさくような爆音、肌が焼けるほどの熱。皮膚が垂れ下がり、血だらけとなって川面に浮かぶ死体。子どもの名前を呼び、「目を開けて。目を開けて。」と、叫び続ける母親。たった一発の爆弾により、一瞬にして広島のまちは破壊され、悲しみで埋め尽くされました。「なぜ、自分は生き残ったのか。」仲間を失った私の曽祖父は、そう言って自分を責めました。原子爆弾は、生き延びた人々にも心に深い傷を負わせ、生きていくことへの苦しみを与え続けたのです。あれから78年が経ちました。今の広島は緑豊かで笑顔あふれるまちとなりました。「生き残ってくれてありがとう。」命をつないでくれたからこそ、今、私たちは生きています。私たちにもできることがあります。自分の思いを伝える前に、相手の気持ちを考えること。友だちのよいところを見つけること。みんなの笑顔のために自分の力を使うこと。今、平和への思いを一つにするときです。被爆者の思いを自分事として受け止め、自分の言葉で伝えていきます。身近にある平和をつないでいくために、一人一人が行動していきます。誰もが平和だと思える未来を、広島に生きる私たちがつくっていきます。』…

 核の恐ろしさとともに、「平和とは何か」を問い、争いや戦争がないことだけでなく、身近な「平和」についても述べられています。改めて考えさせられます。「誰もが平和だと思える未来」をつくるために、私たち一人一人が「今、何を為すべきか」を真剣に考え、行動していく必要があります。