学校法人 文徳学園 文徳高等学校・文徳中学校

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2020年12月2日

生徒および保護者の方々へ 校長室から12月号

 2020.12.1

  12月に入った途端に寒波がきて冬らしい寒さになってきました。寒さの到来とともに、北半球での新型コロナウィルスの感染拡大が急速に進んでいます。日本でも新型コロナウィルスの感染拡大が続いており、連日のように報道されています。感染者数が記録を更新している日も続きました。国の専門家会議では、ここ3週間が感染拡大防止のための勝負所との説明があっており、経済の回復と地域の活性化を狙って始められたGo Toトラベル事業等を中断したり、飲食店の営業時間の制限をしたりする地域も出てきました。今回の感染拡大では、夏の第2波の時とは異なり、年齢層が高くなっており、重症化している患者が増加しています。治療に当たる医療機関の逼迫が懸念されています。一方で冬に流行するインフルエンザの感染者数が極めて少なくなっており、新型コロナウィルスに対する予防策がインフルエンザへの感染予防に大きな効果を発揮していると考えられています。私たちは、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感を常に持ちながら、感染防止のための努力を積み重ねていく必要があります。私たちにできる努力は、まずは自己の健康管理に気をつけて「3密」を避け、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」をしっかり実践することです。一人一人のこの努力の積み重ねが感染拡大防止に大きな効果をもたらすものと考えます。日常の当たり前を取り戻すために、新型コロナウイルスの感染拡大への危機意識をみんなで共有し、「新しい生活様式」の実践が当たり前、徹底するということが求められています。インフルエンザとの同時流行が危惧されており、インフルエンザの予防接種をすることもその一つです。

 また、これから大学入試等本格化し、人の移動も更に活発化します。いつどこで感染するか分からない状況は一層高まります。8月に出された文部科学大臣のメッセージに「新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があります。感染した人や症状のある人を責めるのではなく、思いやりの気持ちを持ち、感染した人たちが早く治るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えてほしいと思います。もし、自分が感染したり症状があったりしたら、友達にはどうしてほしいかということを考えて行動してほしいと思います。また、高齢者や病気がちの人は、感染すると症状が重くなってしまう危険があります。自分は元気だから大丈夫ということではなく、そのような人たちに感染させることがないよう、思いやりの気持ちを持ってほしいと思います。」とあるように、私たちの高い人権感覚とそれに基づく行動が求められています。医療従事者や社会活動を支えていただいている人たち(エッセンシャルワーカー)への敬意や感謝の気持ちも忘れてはならないと思っています。

 さて、先日、新聞に元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカさんの記事が掲載されていました。このホセ・ムヒカさんは、「世界一貧しい大統領」の愛称で有名になった人です。大統領になっても質素な暮らしを続け、国民のために社会改革を進めたと言われています。数年前に日本を訪れたとき、日本の若者への講演の中で、人生で一番大切なものは「勝利でなく、歩き続けること」と話されています。「歩き続けること」とは、「転ぶたびに起き上がり、それから、また新たに何かを始める勇気を持つ。何かに打ち負かされたときに、また立ち上がる」ということです。偉大な人は、常に世の中の先を見て、一番大切なことを心の中心に起き、実践しているのだと感じました。今、このコロナ禍にあって、大切なことは、私たちにできることを確実に実践し、克服する努力を続けることであると思います。みんなの幸せ、日常の当たり前を取り戻すために、「歩き続け」ましょう。

2020年11月13日

生徒および保護者の方々へ 校長室から11月号

  10月は気候も安定し、少し肌寒くなりましたが過ごし易い一月だったように思います。11月に入り日ごとに寒さが増しているのを感じます。高校では前学期期末考査を10月6日~9日まで実施し、中学校では2学期中間考査を10月8日と9日に実施しました。1021日には高校の生徒会役員選挙があり、12人の役員候補の立ち会い演説が行われました。立ち会い演説では、その多くが生徒自ら主体的に運営する生徒会活動の実現を訴え、学校を活性化したいと熱く語っていました。1031日には、コロナ禍での制限の中、高校生は文化行事として授業での取組やクラス、有志、部活動での企画を披露し、中学生は、「つなぐ」をテーマに文化発表会として日ごろの授業の成果、クラス企画等、披露してくれ、高校・中学ともに盛り上げてもらいました。中学校のテーマ「つなぐ」には、「文徳中全員が一つにつながれるようにしたい。そして、一人一人の個性を発揮できる機会にし、みんなの個性もつなげていきたい」との思いが込められており、展示会場のウェルカムボードの虹と人型のメッセージカードも同様に「心をつなぐ」メッセージ性の高いものとなっており、中学生の思いを体現する発表会でした。

 また、11月に入り、全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、大変心配される状況となっています。私たちには、これからのインフルエンザの流行とともに、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感が一層つきまとってきます。今後も、私たちにできる努力、マスクの着用、手洗いの励行・手指の消毒など「新しい生活様式」をしっかり実践する必要があります。体操の金メダリストの内村航平選手は、国際大会を前に新型コロナウィルスの偽陽性と判断され、本人の出場だけでなく、大会の開催そのものが危ぶまれた経験から、何事も「できない」じゃなく、「どうやったらできるか」を考え、厳しい感染症対策も当たり前と思う気持ちが大切であると言っています。

 さて、NHKで放送されている連続テレビ小説「エール」を知っているでしょうか。番組の紹介には、「作曲家である古関裕而氏をモデルとしたもので、作品名の『エール』は『応援』の意で、東日本大震災から10年の節目を目前に『福島を応援したい』との思いを込めて企画され、福島出身の主人公を模索する中で福島の偉人であり多くの応援歌を作った作曲家の古関裕而に着目したもの」と書かれていました。古関裕而氏は、戦災孤児の救済がテーマのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の主題歌「とんがり帽子」、長崎だけでなく日本全体に向けた壮大な鎮魂歌「長崎の鐘」、高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」、戦後日本の発展の象徴でもある1964年開催の東京オリンピックの開会式で鳴り響いた「オリンピック・マーチ」など数多く創作し、日本の復興を音楽で支えた人です。高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」は、今も新鮮で大会の度に流れており、感動をもらっています。本来、この「エール」は9月末で放送が終了する予定でしたが、コロナ禍にあって収録ができない時期があり、11月28日まで放送されることになっています。昭和という激動の時代に人々の心に寄り添い、戦時歌謡を作曲したことへの苦悩から戦後の混乱を乗り越え復興に向かう日本を勇気づける歌の創作へと駆り立てられていく主人公とそれを取り巻く人々の姿が描かれています。この11月の終盤は、日本の戦後の復興を支えた応援歌がその背景とともに描かれており、今のコロナ禍と重なって「エール」をもらっているように感じます。このドラマでは、平和の大切さ、困難から立ち上る時の心の支え、人と人のつながり、家族愛など、多くのことを考えさせられます。録画等してのぞいてみてください。このコロナ禍にあって、がんばっている皆さんに元気を与えてくれるものと思います。

2020年10月2日

生徒および保護者の方々へ 校長室から10月号 

 9月6日から7日にかけて、特別警報級に発達するといわれた台風10号の接近でずいぶんと心配させられました。台風接近の前には、店舗で養生テープが売り切れたり、食料品が売り切れたりして、多くの人が、“今回は危ない”と危機感を持って事前にしっかりと対策を講じていたのが感じられました。台風も特別警報級には発達せず、本県では甚大な被害とならず安堵しましたが、地域によっては暴風や豪雨により大きな被害が出ています。7月豪雨・台風10号と続けて九州を襲った自然災害となり、その怖さと危機への備えの大切さを実感しています。台風通過後は、秋雨前線の停滞等で雨の日が続きましたが、天候も回復し、最近は気温も下がり、朝夕は少し肌寒いくらいで、めっきり秋らしくなってきたように思います。コスモスの話も聞かれるようになり一層秋を感じています。今年は10月1日が中秋の名月、翌2日が満月で、中秋の名月と満月がずれています。

 また、8月から新型コロナウイルスの感染者数が再び増加し、第2波の到来ともいわれる中、本県でも最高のリスクレベル4(特別警報)が継続していましたが、ようやく感染者がでない日が続くようになり、リスクレベル3、そして、リスクレベル2と引き下げられました。10月1日からは、Go Toトラベル事業に東京発着の旅行も含まれるようになり、人の往来が一層活発になると予想されます。私たちには、新型コロナウイルスにいつどこで感染するかわからないという危機感が常につきまとっています。その場その場の状況をしっかり判断し、「3密」を避け、毎日の健康チェック、マスクの着用、手洗いの励行など「新しい生活様式」を今後もしっかり実践する必要があります。厚生労働省は、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOACOVID-19 Contact-Confirming Application)の活用を推奨しています。可能な限り活用し、リスクの軽減を図りたいものです。

 さて、大相撲秋場所で本県宇土市出身の関脇 正代関が13勝2敗で幕内初優勝を果たし賜杯を手にしました。優勝制度ができてから本県出身の力士が優勝したのは初めてだそうです。千秋楽の取組をテレビ等で観戦した人も多かったのではないかと思います。新入幕で勢いに乗り優勝を狙う翔猿関との一番で、追い込まれた場面もありましたが、最後は土俵際で突き落として勝利しました。正代関は、4年前の熊本地震や令和2年7月豪雨等で被災し、困難な中にある県民に元気と勇気を与えたいとよく話されており、インタビューで「地元の応援が力になった。自分の相撲で少しでも楽しんでもらおうと。ほんの少しだけど恩返しできた」「最後まで諦めないのが良かった」と話されていました。今年に入って優勝目前にしながら逃していた経験が生きたとも話されていました。新聞等では、期待されながらもなかなか勝てずやっとつかんだ優勝を、これまでの苦難を乗り越え悲願を達成した「大器晩成」との見出しで称えています。正代関は、場所中のインタビューで、目の前の一番一番に全力を尽くすことをいつも話されていました。解説者も腰高をよく指摘されていましたが、それを個性として生かして突進力をつけ正代関らしい取組になっていると話されるようになりました。今場所の正代関の取組で、多くの県民が、元気と勇気、希望をもらったのではないかと思います。殊勲賞と敢闘賞も受賞し、大関昇進も決まりました。次の場所でも目の前の一番一番に全力を尽くし、熱戦を期待したいと思います。その積み重ねのうえに、きっと横綱が見えてくるものと思います。

 まだまだ、新型コロナウイルス禍で厳しい環境にありますが、今後も自分たちに何ができるのかをしっかりと考え、私たちも目の前の一つ一つに全力を尽くしていきましょう。

2020年9月1日

生徒および保護者の方々へ 校長室から9月号

2020.9.1

 

 8月18日に2学期の始業式を行い、あっという間に9月となりました。立秋は過ぎていますが、連日暑い日が続いており、熱中症の報道も毎日のように聞かれます。8月に入ってからは、台風も次々と発生しています。九州への上陸は逃れていますが危機感を持って見ているところです。また、8月は新型コロナウイルスの第2波とも言われるように感染者数が増加し、本県でもリスクレベルが最高の4(特別警報)に引き上げられています。一時期のように大幅な増加には至っていませんが連日感染者が発生している状況です。

 さて、8月28日に文部科学大臣からのメッセージ「児童生徒等や学生の皆さんへ」と「保護者や地域の皆様へ」を配布しましたが読んでもらえたでしょうか。生徒諸君へのメッセージには次のようなことばがありました。

「…新型コロナウイルスには誰もが感染する可能性があります。感染した人が悪いということではありません。…中略…感染した人や症状のある人を責めるのではなく、思いやりの気持ちを持ち、感染した人たちが早く治るよう励まし、治って戻ってきたときには温かく迎えてほしいと思います。もし、自分が感染したり症状があったりしたら、友達にはどうしてほしいかということを考えて行動してほしいと思います。すでに、感染した人達が心ない言葉をかけられたり、扱いをされたりしているという事例が起きています。こうしたことが皆さんの周りでも起きないように、皆さんにも協力してほしいのです。また、高齢者や病気がちの人は、感染すると症状が重くなってしまう危険があります。自分は元気だから大丈夫ということではなく、そのような人たちに感染させることがないよう、思いやりの気持ちを持ってほしいと思います。…以下省略」

 このメッセージには、私たちの高い人権感覚とそれに基づく行動への期待が込められています。互いに思いやる、支え合う社会であることを願ってのものです。また、医療従事者や社会活動を支えていただいている人たちへの敬意や感謝の気持ちも大切にしなくてはなりません。私たちには、いつどこで感染するかわからないという危機感が常につきまとっています。その場その場の状況をしっかり判断し、「3密」を避けた、「新しい生活様式」を今後もしっかり実践する必要があります。大切なことは、高い人権感覚を持って、各自の生活において、お互いの命を守るという観点から、自身の健康チェック、マスクの着用、手洗い、密閉・密集・密接の「3密」を避けるなど、各人が社会的責任を自覚し、確実に実践することです。暑い中ですが公共交通機関を利用する際は、周囲の乗客の方への配慮を忘れず、マスクの着用を徹底してほしいと思っています。一方で、十分な距離が保たれ、「3密」を避けられる環境では、マスクの着用は、必ずしも必要でないと思われます。その場、その場の状況をしっかりと判断して「自他の命を守る」行動をとることが重要です。

 先日、7月の豪雨災害でのボランティア活動の調査をしたところ31人の生徒諸君が人吉・芦北・八代等の被災地で被害家屋の泥だし等のボランティア活動に参加していました。8日間、活動している人もいました。何ができるのかを考え、進んで行動に移している生徒諸君とそれを支えていただいている保護者の方に心から敬意を表したいと思います。きっと多くのことを学んでいるのではないかと思っています。すばらしいことです。台風も心配され、新型コロナウイルス禍でいろいろな活動に制限がかかっていますが、今後も自分たちに何ができるのかをしっかりと考え、思いやりの心を持って前向きに取り組んでいきましょう。

2020年8月3日

生徒および保護者の方々へ 校長室から8月号

 2020.8.1

 

 7月30日にようやく九州北部地方が梅雨明けしました。梅雨明けとともに、早朝からセミが激しく鳴き、一段と日差しが強くなった気がしています。これから連日昼間は、気温が35℃になると予想されています。再び、新型コロナウイルスの感染拡大が心配されるなか、熱中症も心配される季節となりました。

 

 7月は、梅雨前線の停滞により記録的な大雨となり、本県南部を中心に日本各地で甚大な被害が発生しています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧復興を願っています。

 

 さて、学校が再開し2か月余りが過ぎました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため授業中もマスクを着用し「新しい生活様式」を実践してもらっています。定期考査もなんとか実施でき、高校総体等の代替大会も多くが終了しました。先日、野球の試合を観戦しましたが、球場で溌剌とプレーする姿は本当にいいものだと思いました。どのチームの選手も支えてくださった方への感謝と野球ができることへの感謝を述べていました。3年生にとっては、特に大きな区切りとなったと思っています。8月8日からは短いですが夏休みとなります。生徒諸君も、疲れがピークに達しているのではないかと思っています。夏休みの10日間しっかりと休養を取って充電してください。

 

 現在、新型コロナウィルスの感染者数が急増しており心配される状況ですが、私たちのできることを1つずつしっかりと実践するしかないと思っています。大切なことは、各自の生活において、お互いの命を守るという観点から、自身の健康チェック、マスクの着用、手洗い、密閉・密集・密接の「3密」を避けるなど、各人が社会的責任を自覚し、今求められている「新しい生活様式」を実践することです。特に、暑い中ですが公共交通機関を利用する際は、周囲の乗客の方への配慮を忘れず、マスクの着用を徹底してほしいと思っています。一方で、十分な距離が保たれ、「3密」を避けられる環境では、マスクの着用は、必ずしも必要でないと思われます。これから熱中症も一層心配されます。その場、その場の状況をしっかりと判断して「自他の命を守る」行動をとることが重要です。

 

 私は、7月5日に人吉で浸水被害に遭った知人の家屋の片付けを手伝いました。家の中、周囲ともに泥に覆われ、家財道具、畳等の搬出、泥だし等、雨の中、大変な思いをして取り組んでおられました。被災地の小学校・中学校・高校・特別支援学校等、学校も大きな被害を受けています。一日も早い学校再開を願っているところです。新型コロナウィルスの感染も心配されており、ボランティア活動にも制限がかかっていましたが、ボランティア活動に汗を流す地元の高校生や県内からのボランティアの方の様子等が報道されていました。何ができるのかを考えすぐに行動に移しておられる行動力と社会貢献への志に深く心を打たれます。新型コロナウィルス禍で制限の多いなかですが、私たちに何ができるのかしっかりと考え、取り組んでいく必要があると思っています。毎年のように「想定外」と呼ばれる自然災害が発生しており、私たちの意識改革と備えの重要性を感じています。これから短い夏休みとなりますが心の休養とともに、このようなことにも思いを巡らしてほしいと思っています。